20日、「神戸阪急」で50尾限定のエビが販売されました。このエビが育ったのは”広大な海”ではなく、”人が住む団地”なのです。そのワケとは?
■団地の部屋には「バナメイエビ」がたくさん
「神戸阪急」のデパ地下・鮮魚コーナーに並んだのは50尾限定の”バナメイエビ”。
見た目は普通のエビですが、実は育った場所が特殊です。その場所というのが…
【記者リポート】「バナメイエビが育てられているのは、神戸市垂水区にある団地なんです」
養殖された場所はなんと、”海”ではなく”団地”。
部屋に設置された水槽をのぞくと、「バナメイエビ」がたくさんいて、その数は数百尾にものぼります。
■エサやりも水質管理もタブレットで遠隔操作 住民参加で雇用の創出にも
実はこれ、団地の運営や再開発を行う「UR都市機構」などが、2022年から実験的に始めた取り組みです。
【UR都市機構 石川朋一さん】「空いている場所をうまく活用して、既存の賃貸住宅に住まれている方に、どういったメリットが還元できるかと思っていて。これを何かのきっかけとして、地域が盛り上がっていくことができれば」
気になる養殖方法ですが、バクテリアで水を浄化し循環させるため、水の交換は必要ありません。エサやりや水質管理もスマホやタブレットで24時間、遠隔での操作が可能です。
そしてエサの補充などは、住民に担ってもらうことで、雇用を生み出すことにつながっています。
■味は「食感がプリプリ、後から甘み」、事業化を目指す
こうして育てられたエビは「白羽衣海老(はごろもえび)」と名づけられ20日朝、神戸阪急のデパ地下に並びました。
気になるそのお味は…
【記者リポート】「では、団地育ちのエビいただきます。食感がプリプリしていてかみごたえがあります。そして後から甘みも感じられます」
今後、「白羽衣海老」は、地域の寿司店などで試験販売を重ねるなどして、事業化が目指されてます。
近い将来、「団地育ち」のエビが食卓に並ぶ日がやってくるかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2024年3月20日放送)