1300年前の奈良時代に行われた聖武天皇の即位後の儀式、「大嘗祭(だいじょうさい)」に関する大きな発見がありました。奈良市内で新たに見つかった木簡は、荷物の中身を説明した「荷札」と見られています。
奈良時代の都「平城京」にある朱雀門の近くで、奈良文化財研究所は2023年10月から発掘調査を実施。この穴から1000点以上の木簡が取り上げられたのです。 そのうち100点以上は文字が確認できる状態で、中でも目に留まったのはこの木簡「大嘗分」です。
この「大嘗」が指すのは、最近だと5年前にも行われた「大嘗祭(だいじょうさい)」。
飛鳥時代の天武天皇から本格的に行っているとされる儀式で、天皇が即位した後に臨む一世一代の重要な祭祀で、「大嘗」という文字が書かれた木簡が見つかるのは初めてです。
「神亀元年」という記載などから、ちょうど1300年前、724年に即位した聖武天皇の大嘗祭を指すことが分かりました。
【奈良文化財研究所 馬場基博士】「しびれました、大嘗という文字を書くものがあるのかと。大嘗祭から1300年の節目の今年にみつかる、鳥肌が立ちました」
大嘗祭のために様々な地域から献上された品物の「荷札」だという木簡。 紐が残っていたものもあるほどの奇跡的な保存状態で、各地から平城京に届き、荷ほどきされて近くに捨てられた可能性があるといいます。
【奈良文化財研究所 馬場基博士】「その古代の姿に迫ったり、秘儀といわれる具体的な様子に迫ったり、貴重なチャンスを得られた。1300年に一度の発見と言いたいところ」
木簡は1500点ほど見つかりそうだということで、洗浄を終えたあと本格的な分析が進められます。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年3月19日放送)