■人気の観光地「京都・祇園」に立て看板設置検討
人気観光地、京都・祇園。特に、四条通りの南側、花見小路通周辺は写真撮影を楽しむ多くの観光客でにぎわいます。
【記者リポート】「インバウンド客でしょうか、10人くらいの人数で狭い私道に入っていきます。私道は多くのインバウンド客で埋め尽くされています」
【祇園町南側地区協議会・太田磯一幹事】「この路地とっても狭いんですけど、この中にお茶屋さんが2軒ほどある。そこからの苦情があったので、立て看板を立てる対策を取りました」
こう話すのは、祇園の南側地区協議会の太田幹事。住民たちがある問題に悩まされていることから道に「通り抜け禁止」の看板の設置を検討しています。一体、何が起きているのでしょうか。
■“私道の通り抜け” これまでは住民の厚意
【記者リポート】「私がいる花見小路は公道ですが、一本路地に入ったこちらの道は私道なんです」
花見小路周辺では、公道と私道が混在していて私道には店舗のほか、住宅も面しています。今回、問題になっているのは「小袖小路」。これまで住民の“厚意”から認められてきた私道の通り抜け。
しかし、ネットドラマの舞台になったこともあり、「聖地巡礼」で訪れる人も多く、路地が観光客であふれるようになりました。
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【祇園町南側地区協議会・太田磯一幹事】「こうやって自転車が来る時もありますからね…。たぶんツアーで連れて行っているんやと思うんですけど、こんだけ来ると道が通れなくなりますからね。ああやって滞留されるとお茶屋さんも出てこられないっていう状態になりますし。(舞妓が)出たらシャッターチャンスみたいにみんなが写真撮ったり取り囲んだりしますからね、そこは大変やと思います」
観光客が住宅に侵入してくるケースもあるといいます。祇園一帯では、舞妓さんを追いかけて撮影するなどマナー違反が増えたことを受け、2019年、「私道での撮影を原則禁止」とする看板を設置していました。
今回、祇園の私道を管理する協議会は、撮影だけでなく、通行も禁止することを決め、4月以降、まずは小袖小路の2つの入り口に「通り抜け禁止」の看板を立てることに。 違反者には、罰金1万円を科す予定です。
■違反者には罰金1万円 観光客「理解できる」
【インドネシアからの観光客】「もうこれを体験できないなんて、とても残念ですね。ここはすごくきれいですし、他では見られないので」
【カナダからの観光客】「そこに暮らす人たちがプライベートを大切にしたいというのは理解できますね。日常生活に踏み込まれているわけですから」
■私道に面したお茶屋さんからは感謝の声
私道に面したお茶屋さんからは歓迎の声が…
【お茶屋さん】「いろいろと助かります」
【祇園町南側地区協議会・太田磯一幹事】「言うてはった、立て看板つけるし」
【お茶屋さん】「ほんと助かる。あっちの表もやってほしい」
【祇園町南側地区協議会・太田磯一幹事】「向こう側やろ、両方ともやる。舞妓ちゃんも出られへんしな」
【お茶屋さん】「そやねん。かわいそう、おおきに」
住民や舞妓さんたちを悩ます観光マナーの問題。
【祇園町南側地区協議会・太田磯一幹事】「別に観光客のことを考えてやるわけではないので、住民の人たちが困っていることを対処しようというのが一番なので」
協議会では、立て看板の効果を見て、今後、他の私道にも広げていくか検討するということです。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年3月18日放送)