■AIブームの追い風で…日経平均株価終値 史上最高値
34年前のバブル期の再来となるのでしょうか。22日、日経平均株価の終値が初めて3万9000円を上回り、歴史的な節目を突破し、東京都内の証券会社で、拍手と歓声が沸き上がりました。
22日の午前10時過ぎ、日経平均株価はいわゆる「バブル経済期」だった1989年の年末に終値で付けた最高値を一時上回り、3万8924円に。
【60代男性】「日本の経済にとってはかなりいいことではないですかね。勢いがつくんじゃないでしょうか」
【20代女性】「コロナですごく落ちたのに今って正直びっくりしています」
【別の60代男性】「バブル期以来と考えるとこの先の経済が心配かな。反動が」
AIブームの追い風を受けた半導体企業の高い成長への期待を背景に、相場は上昇基調を強め、さらに22日の午後3時には3万9000円を越えて取引を終えました。
歴史的な節目の突破に専門家は…
【岩井コスモ証券 有沢正一投資調査部長】「(日本が)やっと低迷期から脱却しそうだということですね。春闘が始まるこの時期に株価がこれだけ上昇しているということは、経営者のマインドを明るくしますから賃上げ交渉にとってもプラスに作用するのではと思いますよ」
■にぎわう“証券バー” 株価最高値の要因は何?
日本経済はバブル期のような潤いを取り戻すのでしょうか?歴史的な節目に先駆け昨夜、にぎわいを見せていたのは…
【記者リポート】「こちらのバーでお客さんが楽しんでいるのは、お酒だけでなく、株なんです」
投資家やトレーダーたちが集まる“証券バー”。店内に設置されたモニターには、世界の株式や外国為替市場の動きが映し出されています。
【投資歴30年の70代男性客】「庶民の生活はバブルのような状況には全くなってない。バブル期のころは北新地へ飲みに行ったら1万円札を5枚ぐらい持ってタクシー止めるために、万札で振るわけですよ」
【投資歴8年の40代男性客】「バブルって多分誰も予想ができないぐらいの過熱感が出ると思うんで、だからそこにはまだまだすごい僕は期待をしています」
およそ34年ぶりとなる日経平均株価の最高値の更新。その要因は…
【岩井コスモ証券 有沢正一投資調査部長】「日本の株式市場を取り巻く良好な状況で、『日本の株価が割安だ』と注目した海外の投資家の買いがすごく勢いを増しています」
そして一番気になるのは、私たちの生活が潤うのかどうかです。
【岩井コスモ証券 有沢正一投資調査部長】「緩やかながらこれから景気がよくなる。そして新しい成長期が始まる。そう考えていいと思います。きょうのこの株価は、ここがゴールではなく、これから日本が新しい経済成長気を迎えるスタート地点です」
■バブル期の景気再来か? 好調な株価は給料に反映される?
ついに株価が史上最高値を更新しましたが、まだまだ景気の良さを実感しにくい方は多いのではないでしょうか。バブル期のように、皆が景気の良さを感じることになるのでしょうか。
【菊地幸夫弁護士】「バブル期の頃は、私は弁護士に成りたてでした。私の後輩の中には、弁護士に成りたてで本当にひよっこ弁護士なのに、年収1000万円を超えた者もいました。今はもう半分以下ですよ、やっぱり当時の空気感と違います」
私たちの生活でも、株価・史上最高値更新を実感できるようになるのでしょうか。給料にはどのように影響するのか専門家に聞いてみました。岩井コスモ証券の有沢正一さんは「春闘にいい影響が出るはず、6月頃から賃上げがあるかも」と言いました。
今年6月あたりに株高の恩恵を受けるということです。
【関西テレビ・神崎博解説デスク】「最近は大企業の決算が次々発表されていますが、業績が好調な企業が多いということと、今ちょうど話もありましたけど、賃金交渉ですね。企業と労働組合の間で賃金交渉が行われていて、一部の自動車メーカーでは、組合側の要望をすべて認めるような会社もあります。賃金交渉を経て新しく決まった給料は、大体6月ぐらいからでしょうか、皆さんのところに入ってくる状況で、株高も含めてそういう好循環が大企業に関して言うと6月ぐらいから出てくるのかなと思います」
株価は史上最高値を更新しましたが、景気の動向は冷静に見ていく必要がありそうです
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月22日放送)