■男性がたいまつで人を殴りつける様子が…
FNNが独自に入手した映像には、衝撃の瞬間が写っていました。 白装束姿の男たちが大声を上げながら、たいまつに灯された火を取り囲みます。
火が鳥居をくぐったその瞬間、 1人の男性が火の付いたたいまつで、地面に転がる人を殴りつける様子が確認できます。 別の角度から撮影された映像にも、男性がたいまつを振りかざし、合わせて4回殴りつける様子が、はっきりと記録されていました。 その時、何があったのでしょうか。
■地元の誇り 「山を下る火の竜」の祭りで起きたトラブル
この“暴行トラブル”は和歌山県新宮市にある世界遺産・熊野速玉大社の摂社、神倉神社で起きました。 「御燈祭」と呼ばれるこの神事は、神武天皇をたいまつの火で迎えたことが起源とされ、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。 神の火を授かった男たちが、538段の石段を一斉に駆け降りる姿は、“山を下る火の竜”にもたとえられ、地元の人たちの“誇り”とも言える祭りです。
毎年2月6日に執り行われますが、新型コロナの影響で、ことしは4年ぶりの開催で、関西テレビも取材していました。
■「祭りで気持ちが高ぶった」市議会議員がたいまつで暴行
「御燈祭」では、まず、大たいまつの火をふもとまで下ろし、その後、参道をもう一度上がった先で、「上がり子」と呼ばれる、大勢の男たちのたいまつに火を授けることが本来の流れです。 しかし、例年、興奮した上がり子たちが待ちきれずに殺到することから、「介錯」と呼ばれる集団が大たいまつの火を守る役割を担います。 関係者への取材によると、今回も多くの「上がり子」が突っ込み、大たいまつを持つ人物や周りの介錯たちを殴りつけていたということで、制止する時に、今回のトラブルは起きたとみられています。
関係者への取材によると、今回も多くの「上がり子」が突っ込み、大たいまつを持つ人物や周りの介錯たちを殴りつけていたということで、制止する時に、今回のトラブルは起きたとみられています。
大たいまつでの暴行に及んだ人物は、市議会議員だということで、21日午後、本人に取材を申し込むと、「お祭りを進行していく中で、気持ちが高ぶってしまい、お祭り用のたいまつで叩いてしまった。深く反省している」と話しました。
熊野速玉大社は当事者同士のトラブルとして、特に対応は予定していないということで、「伝統的な祭りだという自覚と誇りを持ち、モラルを守って参加して欲しい」とコメントしています。
(関西テレビ「newsランナー」2024年2月21日放送)