"築111年"日本最古の学生寮『京大・吉田寮』の明け渡しめぐる裁判 寮生側の訴え一部認める「大学側の代替宿舎によって入寮目的が達成されるとは言えない」京都地裁 2024年02月19日
京都大学が老朽化などを理由に日本最古の学生寮である「吉田寮」の明け渡しを求め、寮生を訴えた”異例の裁判”。
16日午後、京都地裁は判決で寮生の訴えを一部認め、「新規入居」を停止した2017年12月以前に入寮した寮生の居住を引き続き認めるとしました。
京都大学吉田キャンパスにある吉田寮は、築111年の日本最古の学生寮といわれ、現在も約100人の学生が生活しています。
しかし、京都大学は2019年、吉田寮の「現棟」は震度6強の地震で倒壊するおそれがあるなどとして、寮生に対し「現棟」などの明け渡しを求めて訴訟を起こしました。
大学側は代替宿舎を用意してすべての寮生に退去を要求したものの、一部の学生が「不法占有」を続けていると指摘。
一方で寮生側はこれまでの裁判で「適切な補強ができれば建物の使用は可能」とし「学生の自治を奪おうとしている」と主張してきました。
16日の判決で京都地裁は「取り壊しを前提として耐震診断は行われておらず、それを理由に契約が困難であることは認められない」と指摘。
さらに、大学が退去通告をする以前に入寮した寮生については、吉田寮の自治会が入寮選考を行うことで合意されていて在寮契約は認められると判断しました。
その上で、寮生らは「自治会により自主運営されていることに大きな意味を見出して入寮しており、代替宿舎の提供をもって在寮契約は認められない」と京都大学側の訴えを一部棄却しました。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月16日放送)