午前6時半過ぎの大阪市西成区の踏切で一台の車が待っていました。 遮断機が上がると、ゆっくりと踏切内に進みます。すると…そこに電車が。 踏切内に入っていた車に接触して緊急停止しました。 この事故で車を運転していた50代の男性にケガはなく、電車の乗客にもケガ人はいなかったということです。
【事故を目撃した近隣住民】「朝の6時半ごろに警笛が鳴った、滅多にこんな所で警笛鳴るのは、よっぽどなのでびっくりして飛び起きた。(Q.運転手の方は?)いてましたよ。(運転手は)茫然としていた感じで」
南海電鉄によると、電車は当時踏切の約200m先にある、西天下茶屋駅で停まるため、ブレーキをかけて時速約35キロで走行していました。
【近隣住民】「今まで見たことがない。50年以上、何十年ここに住んでるけど」
【近隣住民】「ひとごととは思えないというか。(踏切が)上がったら安全やと思うので、子どもが先にぱっと行っちゃったりすることもあるので」
【近隣住民】「しょっちゅう通る。そういうのは怖いわねやっぱりきちっと直していただかないと」
午後4時40分、南海電鉄は全線で運転を再開しました。
■原因はレールとボルトの接触
南海電鉄によると、事故の原因は「レールとボルトの接触」。 枕木に取り付けられたボルトが、1~2センチ離れたレールに、電車の振動等により接触し、システムの電気信号にトラブルが生じたということです。 このトラブルで、遮断機の開閉を行う装置が「電車が線路上にない状態」と判断してしまう状態ができ、遮断機が上がってしまったと説明しています。
■このような事例は他にもある
交通運輸の安全に詳しい専門家は、「実はこういった事例は他にもある」と話します。
【関西大学 安部誠治名誉教授】「無遮断状態で列車が通過する事例というのは、年間20件前後は起こっている。ドライバー側も踏切というのは、リスクの高いところだと認識して、たとえ遮断機が上がっても注意をしながら運転をする心構えを持つ必要があると思います」
南海電鉄は今回の事故を受けて、「同様の条件が考えられる箇所についても早急に確認作業を進める」とコメントしています。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月6日放送)