格安航空会社(LCC)の「ピーチ」がゼロから育てたパイロットのデビューに密着しました。緊張の初フライト、無事に終えたのでしょうか。「ピーチ」がパイロットを育てるわけを取材しました。
■LCC初!未経験・年齢制限なしでゼロから育成 「ピーチ」の自前パイロット
「おはようございます。意外とスッキリ寝たのでこのまま臨めると思います」とこの日副操縦士として初フライトを迎えた松永大輝(まつなが・ひろき)さん。
ピーチがLCCとして初めて行った未経験からのパイロットの育成。先週、1期生の4人が5年間におよぶ訓練を終え、副操縦士に昇格しました。
大手航空会社と違い、ピーチのパイロット養成制度は年齢制限がありません。夢を諦めきれず、営業職やエンジニアからパイロットになった人もいます。
これまで、パイロットのライセンスをすでに取得した人を採用してきたピーチ。訓練費用の一部を負担してまでゼロからパイロットを育てる背景には、2030年ごろ、バブル期に採用されたパイロットが一斉に定年を迎えるため、パイロットが足りなくなるといわれています。
自力で取得すると数千万円かかるパイロットのライセンス。会社が一部を負担することで、経済的負担を減らし、パイロットのなり手を増やそうというのです。
新卒でピーチに入社した松永大輝さん。
【松永大輝さん】「私も憧れたように、ほかの人に夢を与えられるパイロットになりたいと思っています。人の夢をかなえるパイロットはすてきだなと思いましたので」
夢のパイロットに向けた訓練期間は5年。同期4人で厳しい訓練を乗り越えてきました。
■いよいよ憧れの大空へ 息子の初フライトに両親も緊張
松永さんの初フライトは福岡便。まずは初めて一緒にフライトするクルーに自己紹介をします。
そして、キャプテンと現地の天気やフライト時間について綿密に打ち合わせが始まりました。
打ち合わせを終え、飛行機へ向かう途中…ターミナルに両親の姿が。なんと、息子の初フライトに搭乗することに。
【松永さんの両親】「子どもの頃からね。飛行機は何回も見に行ったりしていたので。まさかパイロットになるとは思わなかったが、本人の夢と希望がかないましたので、親としてはほっとしています」「とても緊張しています。前の日から2週間くらい前からすごく緊張しています」
■初フライトを終えた新人パイロット 機長からは“90点”
約7時間後、初フライトを終えた松永さん。
–Q:(機長から見て)松永さん本日どうでしたか?
【機長】「すこぶるばっちりでした。非常に優秀なFO(副操縦士)です。緊張しているところはあったが押さえるところは押さえていて、私がミスしそうになったらアドバイスくれたりしました。(Q.初フライトは何点ですか?)90点!」
【松永大輝さん】「200人のお客さまの命を預かって、操縦かん1本でやっている思いがあったので、いつもよりは違った意味で緊張感がありました」
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月5日放送)