■深刻な教員不足解消に…各自治体が新たな策
大阪市教育委員会が、2日、教員確保のための新たな策を発表しました。
その一つがこれまで10月下旬ごろだった「教員採用試験の合格発表」を3週間程度繰り上げることです。民間企業が内定式を行う10月1日より早く発表することで人材を確保する狙いです。
【大阪市教育委員会・中野下豪紀さん】「人材の獲得競争が激しくなっております。他の自治体がどんどん日程が早まっているということだと、先に合格された自治体の方に行ってしまうんじゃないかと。そういうことも含めまして、一日でも早く合格を発表することによって、受験者に安心していただいて大阪市を目指していただけたらと」
京都市教育委員会も2025年度から、これまで大学4年生の6月に行っていた教員採用の一次試験(筆記)を大学3年生でも受けられるようにすることを決めました。
【京都市教育委員会 教職員人事課・不破佑太さん】「京都市においても全国的な傾向と同じように志願者数は確かに減ってきている。京都市で教員をやりたいという志願者をしっかり増やすというところが大切」
■教員志望学生「大学3年で試験受けられるなら…」
社会問題になっている“教員不足”。
「#教員不足をなくそう緊急アクション」の調査によると、2023年4月の時点で公立小学校の20.5パーセント、公立中学校の25.4パーセントで教員不足が起きています。
大阪府内の小学校に勤める現役教師は、その実態について…
【大阪府内の小学校教員】「すごい人が足りてない。教頭がもう授業に入らざるを得ない。職員室が誰もいないような状況が日常として続いている。根本的には教員の数も足りないし、業務もどんどん増えてくるし、それぐらい現場はひっ迫していて、労働環境も悪いから、逆に言うと、人材としては流れていきやすいような環境になっていて、すごい悪循環やなって思いますね」
こうした中、いち早く質の高い教員を確保しようと、大阪市や京都市など大学3年生での受験を認める自治体は急増しています。
【教員志望の学生】「教員を目指す人として結構いい策。就活終わって教員採用試験じゃなくて、元々から教員採用試験があることで、より目指しやすいというか、受けやすい形になったんじゃないかなって思います」
【教員志望の別の学生】「早く受けられる制度があるんだったら早く受けたいって感じです(Q:先生が不足とか、先生が大変とかどう思う?)早く教員になりたい気持ちが、より一層強くなったって感じですね。むしろ早くなってその教員不足解消に、私一人では無理かもしれないですけど、なりたいなって思っています」
質の高い教員の人材の確保に悩む自治体。教員不足はどうすれば解消できるのでしょうか?
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月2日放送)