「ブロッコリー」が、2026年度から「指定野菜」に追加されることになりました。
「指定野菜」とは、特に消費量が多く、国民生活に重要な野菜のことで、現在はトマト、タマネギ、ニンジン、レタスなど、食卓には欠かせない14の野菜が選ばれています。この野菜のオールスターに新たに加わるブロッコリー。
「指定野菜」への格上げは、1974年のジャガイモ以来、実に52年ぶりとなります。兵庫県・南あわじ市でいま、ブロッコリーが出荷の最盛期を迎えています。
今回、兵庫県・南あわじ市にあるA&Hファームを取材しました。
【記者】「こんな感じでなってるんですねブロッコリーって」
【A&Hファーム 菱池崇代表取締役】「葉っぱの中につぼみ(花蕾)ができて、実になる。粒が細かくて、実がふわふわしてない、締まっているブロッコリーがおいしいです」
■指定野菜に追加の理由は「需要の高まり」
まずは、スーパーから取材を開始します。
【買い物客】「切って簡単にゆでるだけなので、3分ぐらいで、すぐできるので重宝していますね」
【子ども】(Q.ブロッコリー好きですか?)「芯の部分はあんまり好きじゃないけど、葉っぱの部分が好き」
【父親】「子供らも好き嫌いなく食べる食材の一つ」
【買い物客】「体に良い、栄養ある。私らの若い時、こんなんなかったもん」
「栄養価が高い」と注目され、子どもも大好きという事で、スーパーでの売り上げは、野菜の中で常に上位に入る人気ぶりです。
選ばれた背景にあるのは、「需要の高まり」で、出荷量はこの10年で、約3割も増加しているのです。
■ブロッコリーは体づくりにも一役
そして、後押ししているのが…。
【筋トレをする人】(Q.ブロッコリーはどんな存在?)「体づくりにはすごく大事な栄養素のひとつ」
「健康志向」の高まりで、筋トレ好きの方には欠かせない食材だそうです。
大阪市内で、低糖質・高たんぱくの食事を提供している、その名も「プロテインラボ」。ここでは、半分近いメニューにブロッコリーを使っているそうです。
【プロテインラボ 打越千史さん】「僕自身、パーソナルトレーナーをやっていて、体づくりしてるっていうのもあるが、その野菜の中でもタンパク質が特に多い野菜としても有名、胃の保護とか抗炎症作用とかがあるので、体にとってメリットしかない野菜」
中でも、人気のメニューは「ブロッコリースープ」です。
【プロテインラボ 打越千史さん】「茎の栄養豊富な所を使っている、茎はふさふさの部分よりも栄養が豊富」
■「指定野菜」で何が変わる?
とにかく人気急上昇のブロッコリーですが、「指定野菜」になると一体、何が変わるのでしょうか?
【フレッシュマーケットアオイ青果担当 西井典人さん】「これから生産者・収穫量が増え、となると相場が下がっていく。われわれも相場が下がれば、売る商品の価格帯を下げる。お客様が常にお安い値段でお買い上げいただける」
また「生産者」は天候によって不作の年もあり、生産量が多すぎると価格が下落するなど、リスクがあります。指定野菜になると国からの補助金が増えて、安定供給が期待されるということです。
安定供給によって価格も年間を通して落ち着き、私たち消費者にも生産者にもメリットがあります。
■補償のメリットがない農家も発生する
とはいえ、いいことばかりでもないようで、淡路島のA&Hファームでは…。
【A&Hファーム 菱池崇代表取締役】「ブロッコリーの価格が下がった時に、補償を受けられる制度がありますが、農協を通じて出荷していない、独自で販売している弊社もそうですが、そういう(農家)は補償のメリットがない。補償のある農家と、補償ない農家で闘うことになった場合、うちとしてはデメリットかな」
農協などを通さないで出荷する農家は、補助金を受けられず、「指定野菜」になっても何も変わらないそうで、ブランド化などで工夫しようにも、ブロッコリーは味の差別化が難しいとのことです。
今後、願いたいことは…
【A&Hファーム 菱池崇代表取締役】「指定野菜になったことで、消費が伸びてブロッコリーの価格も維持されたまま、生産者にも消費者にもいいような状態が続けばと思っています」
とにもかくにも、私たちがたくさん食べることが一番のようです。「指定野菜」となって消費がさらに拡大することが期待されます。
■オススメメニューを紹介
指定野菜入りで注目が高まるブロッコリーですが、まだまだタメになる情報があるそうです。
まず気になるのが栄養面ですが、SNSで100万人近いフォロワーがいる管理栄養士のもあいかすみさんに聞きました。
ブロッコリーはタンパク質、ビタミン、食物繊維、カルシウムさらにカリウム、鉄分、葉酸、などたくさんの栄養素が豊富に含まれているそうです。
ちなみに、もあいさんのオススメメニューは「半熟卵とブロッコリーのオイスター炒め」だそうです。
■■「半熟卵とブロッコリーのオイスター炒め」レシピ■■
1.ブロッコリーを分け、耐熱容器に入れる
2.1にふんわりラップをして600Wのレンジで2分
3.その間、フライパンでたまごを炒め、2のブロッコリーを合わせ炒める
4.最後にオイスターソースをかける
これなら10分も掛からない程度で調理できるため、簡単に栄養も摂れるということです。
ただ、ブロッコリーの食べ過ぎには注意が必要で、もあいさんによると、「1日1株を目安に」ということです。
食べ過ぎると、食物繊維の過剰摂取で便秘や下痢などの消化不良を起こしたり、シュウ酸という成分も多く含んでいるため、尿路結石を引き起こす恐れもあるということです。
いくら栄養があるとはいえ、偏らずにバランスを考えて食事を摂りましょう。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年1月26日放送)