被災地には、冷たい雪が降り積もる中、石川県・輪島市では消防や自衛隊などの懸命な救助活動が続けられました。能登半島地震の発生から8日で1週間を迎えました。 8日午後2時時点で、死者は168人、行方不明者は323人。2万8000人以上が、避難生活を強いられています。
■発災から1週間 去年5月に修繕した矢先に家が崩壊…
雪の中、倒壊した自宅の様子を見に来たという男性は…
【被災者】「被害は全然だめですね。もう住めないわね」
(Q. 毎日様子を見に?)「名残惜しいからね」
2023年5月の地震で修繕した矢先のできごとだったといいます。
【被災者】「3カ月ほど住んだだけで壊れてまたやり直し。ただぼうぜんと見て帰るだけや…。雪はいらんわね…雪も地震もいらんわね」
■吉原キャスターが見た被災地 能登半島には冷たい雪が降る
吉原キャスターは被災地を取材してきました。現地では崩れた建物が、手を付けられずにいました。
【吉原功兼キャスター】「瓦の重みもあるのか、1階部分が完全に崩れ落ちていますね。瓦が道路まで散っていて、地震の激しさがよく分かりますね」
また大規模な火災があった輪島市の現場に向かいました。
【吉原キャスター】「大規模火災があった場所です。あたり一面焼け野原のような状態です。 これだけ広い範囲で火災が起きていて、建物の4階部分まで。どれだけ火災が強かったかがよく分かります」
現場には、今なお煙がくすぶっていました。このがれきの中に、兵庫県警の警察官の姿がありました。
【兵庫県警の警察官】(Q安否不明者の捜索活動でしょうか?)「そうですね」
千年以上の歴史を持つ日本三大朝市の一つ、「輪島朝市通り」と呼ばれる場所にはかって多くの観光客が訪れていましたが、いまはその面影はありません。 たくさんの人たちの日常が火災によって奪われました。
■被災地ではあらゆるインフラが遮断 特に必要なのが水
【吉原キャスター】「朝は雨が降っていたのですが、時間がたってくるにつれて、ご覧のように、ひょうが降ってきました。天候悪化する中で、被災者の人たちが不安な避難生活を強いられています」
被災地では、生活に欠かせないあらゆるインフラが遮断されています。特に、必要とされているのが、水です。
【吉原キャスター】「給水はできましたか?」
【被災者】「何とか間に合いました(Q.足りていますか?)水は足りていないですね」
【吉原キャスター】「断水続いていますか?」
【被災者】「もう全然(水道は復旧しない)。電気もきてないし。一番いいのは、インフラを早く復旧してほしいけどね、この状態では無理でしょう」
【吉原キャスター】「なかなかかかりますね」
【被災者】「何年かかるのでしょう?教えてください」
避難所には家を失った人たちなどが身を寄せ合っていました。すでに避難所の定員はいっぱいです。
【吉原キャスター】「ご家族の方は?」
【被災した94歳女性】「いないの、私一人なんです、みなさんのおかげで一緒に自衛隊のところまでいけました。畳敷いたお布団で寝られて、お食事もあるし、何も言うことはない」
家が全壊し、しばらく車中泊で過ごし、ようやく避難所に入ることができた男性もいます。
【被災した70歳男性】「私の家はぺしゃんこ、(食事会で)娘の家にいて助かりました。ここに知人がいまして、無理やりきたような感じです。入れてもらえて良かった。本当に助かっています。涙が出ますよ。本当に助かりました。ありがとうございますとしか、言うしかないです。私の家も、百何十年もたっている家ですから、多分あっという間に崩れたと思います。(家に)いなくて良かった。思えば、『もうちょっと生きとれ』と言われたのと思いますね。死ななくて良かった」
各地に避難所が開設されているものの、あえて車中泊を選んでいる被災者もたくさんいました。
【車中泊する被災者】「(避難所に)いくと、孫が5人いるので寝る場所がいっぱいで、俺入れて6人やろ。(避難所で)1日2食出るので、ご飯だけ食べてくる、あくまで寝る時だけや」
【車中泊する夫婦】「家族交代で、この犬がいて迷惑かけるので、交代で夜中に代わっている。1日の晩からずっとです。いい加減に『エコノミー症候群』になるかも(Q.大変?)大変になってきたわ。みなさん同じなので仕方ないです」
■厳しい生活を強いられる被災者 いま必要なものは?
【吉原キャスター】「きのうから輪島市では大雪があって、10センチ以上の積雪が観測されました。陥没している部分あるが、境目が雪の影響で見えなくなっています。支援活動にも大きく影響が出そうです」
あたり一面雪におおわれた農業用ハウスでは、近隣に住む20人ほどが身を寄せ合って避難生活を送っていました。取材していると、自衛隊員が今、何を必要としているのかを聞き取りにやってきました。
【被災者】「長靴ほしい。急にドカ雪になったら、靴で避難している人いるので」
【被災者】「トレーナーってないですかね?」
【自衛隊員】「服ですか?服も段ボールに山積みしてあったんですけど、一回聞いてみます」
【被災者】「電気も本当はここ引っ張ってほしいんだけど、今はランタン、ペットボトルで作って、夜はこれでね」
【自衛隊員】「ありがとうございます。また、16時までに来ますので」
【吉原キャスター】「きのうかなり雪が降りましたけど、防寒対策は大丈夫だった?」
【被災者】「夕べはちょっといつもよりもちろん寒かったんだけど、毛布も物資で来ているので」「いつまで続くか分からないけれど短期間じゃないでしょうし、随分時間かかると思うので」
8日で地震発生から1週間を迎えました。地震活動が活発な状況が続いていて気象庁は、今後、1カ月程度は震度5強程度以上の地震に警戒するよう、呼びかけています。被災者は、この後も厳しい生活を強いられることになります。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年1月8日放送)