甚大な被害が出ている能登半島地震。 関西の消防隊員や職員たちは石川県に向かい、過酷な状況で救助や支援を行っています。
【消防隊員】「誰かおられますか?消防です。安否確認です」
1日に発生した能登半島地震から5日目。 被災地では、地元だけでなく、全国から駆けつけた消防隊などが、懸命に捜索や救助にあたっています。
■何度も声かけ…倒壊した家屋に取り残された人を必ず見つけるため
地震が発生した日から珠洲市で活動してきた京都市消防局の消防隊の第1陣。 地震と津波、両方の甚大な被害が出た街で救助にあたってきました。 倒壊した家屋に取り残された人を必ず見つけようと、何度も声をかけ続けました。
【京都市消防局救助小隊 内田光隊長】「救助した後、手を拝見したところ、真っ赤になっていました。きっと、われわれの声が聞こえて、声は出せないけど、懸命にどんどんと最後の力を振り絞って、たたいたのではないかと」
■道路が寸断…空路を活用しての救援活動も
同じく5日、戻ってきた和歌山市消防局が担っていたのは、志賀町から金沢市の病院への転院や搬送などの救援活動です。 志賀町では町で唯一の公立病院が被害をうけ、機能が停止しました。人の命を救うインフラも失われた、被災地での活動は困難を極めました。
【和歌山県大隊 黒田滋之大隊長】「はやく何とかしてやりたい、住民の命を救いたいというのが山々だったんですが、残念ながら、そこに至る道路が寸断されている。消防車両をその地域にもっていくことができない状態。要救助者の搬送については、救急車も入れない状態なので、主に空路を活用しての搬送になる」
難航する捜索活動に5日朝、大阪府内の消防隊員たちが新たに派遣されるなど、応援が送られています。
■大阪市職員が被災地へ出発
こうした支援が必要なのは捜索だけではありません。
【大阪市職員】「では行ってまいります」
【大阪市 横山英幸市長】「よろしくおねがいします」
5日正午ごろ、大阪市の職員4人が石川に向けて出発しました。
職員たちが被災地に向かう理由は、関西広域連合が被災した自治体ごとに、支援する自治体を割り当てる「カウンターパート方式」で支援することを決めたからです。 特に被害が甚大な地域として、輪島市への支援を大阪北部地震などを経験した大阪府や大阪市などが、珠洲市への支援を阪神・淡路大震災を経験した兵庫県や神戸市などが、カウンターパートの自治体として当たることが決まりました。
自治体を割り当てることで、被災した自治体のニーズを迅速に把握し、支援体制を構築することが狙いで、現地に派遣された職員は、今後の支援のために状況やニーズの調査にあたります。 先が見えない状況にある被災地。 必要な支援を届けるための取り組みが続いています。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年1月5日放送)