「タイガース、38年ぶりの日本一達成~!」
今年の喜ばしい出来事といえば、38年ぶりに阪神タイガースが日本一になりました。
歓喜に沸いた街では、大盤振る舞いの大セールが行われました。阪神日本一で動いたマネーはいかほどになったのでしょうか?
がっぽりもうけた人たちに”直当たり”しまくります。
■阪神百貨店では福袋が飛ぶように売れた
“阪神日本一のセール”と聞いてまず頭に浮かぶのが、阪神百貨店です。
タイガースが日本一に輝いた翌日から5日間のセールを行い、バウムクーヘンも虎、お酒も虎、そして38年ぶりにちなんだ380万円の高額商品まで登場しました。
一体、いくら売れたのでしょうか…
【阪神梅田本店広報部 竹下諭さん】「前年に対して、同週同曜日対比で3倍以上売り上げております。初売りが何回もきたぐらいの感じ、本当におめでたい感じ。(Q.380万円の置物は売れましたか?)残念ながら、あれは売れなかったんですが、代わりに食料品などで3800円の福袋をたくさんご用意したのは、飛ぶように売れました」
広報さんも嬉しそうです。
■“虎の威を借る「たぬき」”で誤算があるも笑いが止まらない
一方、こんな意外なところからも笑いが…やってきたのは滋賀県・信楽町です。
【記者リポート】「あ、見てください。阪神タイガースの格好をしたたぬきです!」
虎の威を借る「たぬき」!?
物心ついたときからタイガースファンだという店主が、20年前から売り出したというたぬきの置物が今年大ヒットしたそうです。
【山金陶器 加藤憲一社長】「今年はホンマにええ年でルンルンですわ。(Q.これ売ったら阪神にマージンみたいなのが行くんですか?)売価の何パーセントかは球団に入るようになっております」
ただ、売り上げが前年比1.8倍になったのものの、人気過ぎて生産が追い付かず現在、予約1カ月待ちの状況です。
【山金陶器 加藤憲一社長】「生産さえ追いついてたら、3倍、4倍ぐらい売れたと思うんですけども、残念に思っていますよそら。もっとあったら売れたのにって」
誤算はありましたが、笑いが止まらない様子でした。
■爆速でCM出演決定の平田ヘッドコーチ
【阪神タイガース 平田勝男ヘッドコーチ】「全国の野球ファンの皆さん。お疲れ生です!CM待ってます!」
と、本当にCMをゲットしちゃったのは阪神タイガースの平田ヘッドコーチです。
【阪神タイガース 平田勝男ヘッドコーチ】「言ってみるもんやね」「お疲れ生でーす」
「お疲れ生です」というCMのフレーズが大好きで、使っていた事が本家の目に留まり、異例の速さで出演が決まりました。
【阪神タイガース 平田勝男ヘッドコーチ】「こうやってオファーが来るなんて、夢にも思っていませんでしたし、非常にうれしいですよね」
本人も驚きのオファーだったようですが、アサヒビールは早速、平田ヘッドコーチの人気ぶりを実感しているようです。
【アサヒビールマーケティング本部宣伝部 大場洋右さん】「とあるスーパーのチェーン店では、マルエフの売上構成比が倍以上になったと。平田ヘッドコーチの『おつかれ生です』に反応していただいた方が、マルエフを買ってくれたところは、すごく感じられました」
■パインアメの会社ではパイン疲れ中
一方、岡田監督が試合中によくなめていたパインアメも話題となりました。
【街の人】「パインアメきょう買って帰ります!」
今年の“世相サンタ”もしっかりと口にくわえていたパインアメは、売り上げは2倍強となったといいますが、何やらさえない様子です。
【パイン株式会社開発部 井守真紀さん】「工場でできるキャパはもう本当100%ぐらい作っているんで、(Q.パイン疲れしてる感じですか?)そうですね、社員全員がもうだいぶ疲れちゃっていますね…」
現在は新作の開発も止め、社長命令で工場を2交代制にし、パインアメづくりに全力投球しているそうです。
【パイン株式会社開発部 井守真紀さん】「こんなにパインアメを作ったことないんじゃないですかね」
工場がフル稼働でパイン疲れ中だそうです。
■尼崎商店街ではいつまで続くのか「優勝セール」
そんなうれしい悲鳴は、日本一早くマジックが点灯することで有名な尼崎の商店街でも…。
セール時は380円の激安サングラスや、高額なジュエリーが半額以下と大盤振る舞いでした。
【大島時計店 大嶋秀樹代表】「セールもそんな長くできないんで…」
こう答えた店の「その後」を取材すると…店内にはなんと、まだ虎柄の激安表示がありました。
【大島時計店 大嶋秀樹代表】(Q.今もまだセール続いてますか?)「まだセールやってます。これまた赤字になるかも、もちろん(すでに)赤字ですけどもね」
3800円相当のサングラスを380円で販売していたメガネ店でも…
【メガネのアマガン 阪上正専務取締役】「大損効果。それこそ380本を380円で売ったってもうけはない。これはもう阪神ファンのためにバーンと行きました、大赤字で。おーん」
ただ、意外なご利益があったそうで…
【メガネのアマガン 阪上正専務取締役】「実は釣りする人が380円のサングラスを買ってね、3メートルのクジラ釣ったんだって!これ本当、本当」
■阪神日本一は関西の景気を好転させるきっかけに
泣きも笑いも、様々なお金が動いた阪神の日本一。その経済効果は関西の景気を好転させるきっかけになると分析している人もいます。
【アジア太平洋研究所 稲田義久研究総括】「経済波及効果がですね、1607億円です」
なんと、あの大谷翔平選手がドジャースと交わした1015億円の契約金を上回る経済効果があるというのです。
【アジア太平洋研究所 稲田義久研究総括】「これがもし、来年も続いた場合に消費パターンが変わってくる。賃上げにつながるとか、間接的につながっていければ、例えば何十年たった時に、『あの時阪神が優勝したよね』、『あれが転機だったよね』という評価を受ける可能性は十分あると思う」
■阪神タイガースと日本経済の相関性を研究する「濃い~人」
阪神タイガースの”浮き沈み”が日本経済を考える上で1つの指標になるかもしれない。
そんな不思議な関係性を独自目線で研究する、ちょっと” 濃い~人”を見つけてしましました。
【オカダアイヨン 前西信男専務取締役】「2012年、この年は(阪神が)全然大したことなかった、5位やから。その年の終わりにドラフト会議があり、一番くじを引いて藤浪晋太郎を獲得できた。そこからアベノミクスが始まったというのが私の仮説なんですけども」
そのほかにも、「2008年、阪神が大失速の末、優勝を逃したからリーマンショックは始まった」など、「実に面白い」分析をするのは、建設機械を製造する「オカダアイヨン」の前西さん。
くしくも社名に監督と同じ「オカダ」の文字があるだけあってか、会社の景気とも不思議なつながりを感じているといいます。
【オカダアイヨン 前西信男専務取締役】「今年、阪神が日本一になったんですけど38年ぶりに。うちの会社は過去最高売り上げ利益を更新見込みで、株価も上場来の最高値を更新していまして、2018年なんか過去最高売り上げ利益更新しているけど、阪神が6位になったら、(株価が)下落するんですよ」
いや~阪神ファンって、おもしろいですよね。
■「アレ」にあやかり「ARE」になった会社!?
ただ、中にはこんな「偶然」が重なった会社も…
【記者リポート】「よろしくおねがいします~あれ(ARE)!?」
記者の目の前には大きな文字で「ARE」と社名が書かれていました。
【流行語大賞発表会】「流行語年間大賞は…A.R.E.」
なんと、タイガースのスローガン「アレ」と同じ名前の会社と思いきや、正しくはエーアールイー(ARE)と読み、貴金属などをリサイクルする会社で、「アレ」とは全くの無関係だそうですが、社名を変更したのはリアルに「アレ」が見えてきた7月ということです。
【AREホールディングス人事部 増田卓司担当部長】(Q.寄せてませんか?ちょっと「アレ」に)「寄せてないんです。全然寄せてないですけど…」
しかし、取材班は阪神戦の合間に流れていたCMを入手していました。 増田さんと一緒にCMを確認します。
(CM)「『アレ』でもなく、『アー』でもない、エーアールイー」
【AREホールディングス人事部 増田卓司担当部長】(Q.言うてません?今)「アレって言っていますね(笑)。寄せてますかね?やっぱり。そう思われても仕方がないかもしれません。皆さんからいい名前だねと言っていただくことからも認知度が上がっているのかなと感じています」
人の心を、そして経済をも大きく動かしたタイガースの日本一。
来年も「アレ」してくれることが1番の経済対策なのかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2023年12月28日放送)