難病「ALS」の患者から依頼を受け、患者を殺害した罪に問われている元医師の男に、懲役2年6カ月の実刑判決が言い渡されました。元医師の山本直樹被告（46歳）は4年前、医師の大久保愉一被告（45歳）と共謀し、京都市内のマンションで、林優里さん（当時51歳）の依頼を受けて薬物を投与し、殺害した「嘱託殺人」の罪などに問われています。 林さんは全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「ALS」を患い、SNSで安楽死を望む投稿をしていました。
【山本直樹被告】「共謀していませんし、実行もしていません」
これまでの裁判で起訴内容を否認していた山本被告に対し、検察側は懲役6年を求刑していました。
■亡くなった女性の元ヘルパーやALS患者の男性も裁判を傍聴
迎えた19日の判決。初公判から傍聴を続ける林さんを担当していたヘルパーの女性や、林さんと同じALS患者の増田英明さんも訪れました。
判決で川上宏裁判長は、「見張りの役割に留まるとはいえ、犯行に重要な役割だった」と山本被告の共謀について認めました。 さらに、「医者として診察せず、親族にも秘密裏に殺害した」と非難した一方、「自殺ほう助に近い側面がある」などとして、懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡しました。
この判決を受け、担当ヘルパーの女性は…。
【林さんの担当ヘルパー】「何で2年と6カ月という判決なのか。（林さんの）お父さんとも話したけど、“そんなもんなんやろうな”と泣いてはったし、残った家族のことを考えたら2年半は少なすぎるんじゃないのかと腹立った」
【増田英明さん】「自分たちALS患者の命が軽んじられていると思いました。被告は否認し続け、動機は明らかにされておらず、知りたいです」とコメントしました。
共謀したとされる大久保被告の公判は、1月11日から開かれる予定です。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月19日放送)
