燃料ポンプのリコールが相次いでいる自動車部品メーカー「デンソー」。 デンソー製の燃料ポンプを搭載した車が突然エンストし起きた事故で、家族を亡くした兵庫県の男性が取材に応じました。事故の恐怖、メーカーに抱く不信感を語りました。
【亡くなった男性の息子】「まさか自分の車が、そうなる(エンストする)と思わず安心して乗っていた車だった。車が止まりさえしなければ、こんな事故には遭っていない」
兵庫県に住む50代の男性が2023年7月、両親を乗せて、鳥取市内のトンネルを走っていた時、乗っていたホンダ製の車が突然エンストし、停車。 そこに、後ろから来た車がぶつかったのです。
【亡くなった男性の息子】「トンネルに入って車が減速しだして、おかしいと思って、アクセルをいくら踏み込んでバタバタしても、全然反応しない状態になって。トンネルの中で危ない所で止まりたくないが、車が動いてくれないので、止まらざるを得なくなりまして」
この事故で、後部座席に乗っていた男性の父親が死亡し、男性と母親がケガをしました。
事故から約1カ月後の調査で、エンストの原因は「燃料ポンプの不具合」と判明しました。 車に搭載されていた燃料ポンプは自動車部品大手のデンソー製でした。 デンソーの燃料ポンプをめぐっては、3年前からリコールが相次いでいましたが、男性の車に搭載されていたポンプは事故当時、リコールの対象ではなく、事故から3カ月後に対象となりました。 この事故についてデンソーは、「燃料ポンプの作動不良の発生には条件が複雑に絡んでいる」として「カーメーカーと連携して対応を進めている」とコメント。
一方、ホンダから伝えられたのは、
【亡くなった男性の息子】「2~3カ月たって、故障原因が分かってもお伝えできないのでご了承くださいと。驚きと怒りと、誰からも謝罪ないですし」
現在もなぜ不具合が起きたのか、具体的な説明はないままだといいます。 男性は、2つの企業の狭間に置かれて不信感を抱いていて、原因の究明と謝罪を求めています。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月15日放送)