阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸市・長田区。14日、ウクライナから避難している大学教授らが訪れました。いずれ来る「戦争からの復興」。被災地の教訓を、地元の店主が伝えました。
兵庫県・斎藤知事と一緒に長田の街を歩くのは、現在神戸の大学で客員教授をするナディア・ゴラルさん。2022年、ウクライナから日本に避難し、家族は今も母国にいます。ナディアさんに街を案内するのは、地元商店街の理事長である、伊東正和さん(75)です。
阪神淡路大震災で甚大な被害を受けた長田区。大規模な火災も発生し、焼野原となりました。復興の過程では、住民の意向を十分に把握しないまま進められた行政による商店街の開発で、人は戻らず維持費が膨れ上がるなど問題を抱えています。
それでも、地元の店主として生きてきた伊東さんは、ナディアさんに「教訓」を伝えます。
【久二塚商業協同組合・伊東正和理事長】「(再開発は)町の大きさに合わせたものを作るのが大切だと思います。住民中心であるべき、住民が安心して生活できるように」
■いつか「戦争からの復興」に向き合うとき 若者に伝えることが大事
いまだに出口の見えないロシアによるウクライナ侵攻ですが、いつか「戦争からの復興」に、ナディアさんたちも向き合うことになります。
【ナディア・ゴラルさん】「ものを守る復興より、伊東さんのような人を守ることが一番大事です。若者たちにいろいろ伝えることが大事と分かりました。きょうはありがとうございます」
兵庫県は、ウクライナ南部のミコライウ州と復興支援の覚書を交わしていて、復興に関する提言を3月までにまとめ、本格的な支援を始めたいとしています。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月14日放送)