関西テレビは13日、キックバック疑惑について安倍派の関係者を独自に取材しました。 関係者は、「議員会館の部屋で、当時の細田会長から議員に現金で手渡しだった」と証言しました。 安倍派については、一部の議員側がキックバックされた資金を秘書の給料などに使っていたことが判明しています。
この現金のやり取りの詳細について、別の関係者が関西テレビに証言しました。
【関係者】「キックバックは細田会長から現金で手渡しだった」
この関係者は「キックバックがあったのは事実」と認め「派閥の事務局から収支報告書に記載するなと言われていた」「悪しき慣習で、そんなもんなんだろうと思っていた」と話しています。また、キックバックされる金については「議員会館の部屋で当時の細田会長から議員に現金で手渡しだった」と証言しました。
そして安倍派の池田佳隆衆議院議員は、2020年から2022年までの間、派閥から受け取った3200万円の現金が不記載となっていたため「収支報告書を訂正した」と発表しました。 池田議員は、現金について「政策活動費であると認識して受領した」と説明しています。「政策活動費」は政党から議員個人に渡されるもので、使い道を公表する義務がないことから透明性が疑問視されています。池田議員は「この金銭が政策活動費であることの確証を持つことができなくなった」「会派からの寄付として報告書に記載すべき性質のものである」と判断したということです。
一連の疑惑について、東京地検特捜部は国会閉会後に議員数十人からの聴取も視野に、本格捜査に乗り出すものとみられます。
この「政策活動費」について透明性が疑問視されていますが、これはどういうものでしょうか?
【関西テレビ 加藤さゆりデスク】 「そもそも政治家個人は個人や企業から献金を受け取ることはできません。ところがこの政策活動費、もしくは組織活動費とも言うんですが、これは唯一、記載しなくてもいいものです。
政党から議員個人に渡されるもので、使い道を公表する義務はないんですね。池田議員がこれをなぜ今出してきたかというと『私たちはこういう認識だったので記載する必要はありませんでした。問題があるのは議員個人ではなく政党です。 政党の方が記載をする義務があったんですよ』と話をすり替えようとしています。
ただ本当にこれは政策活動費だったのか?という点をいま警察が調べているわけで、議員個人が罪を免れるのかというと、そうではない判断が下される可能性もあります。ちょっと話がすり替わっているのではないか…という点に注目して見ていただきたいと思います」
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月13日放送)