「異次元の少子化対策」の財源や具体策が11日示され、注目されたのが大学などの入学金・授業料の無償化でした。 将来、どれくらいの負担が軽減されるのか、5人の兄弟がいる神戸市にお住まいのご家庭を取材しシミュレーションしました。
■コンスタントにお金がかかり「私たちの老後資金は、ほぼ貯まっていない」
神戸市に住む、釜渕さん一家。 家族構成は、中学校教師の父・章匡さん(47)と、契約社員として働く母、佳世さん(46)と、社会人の長男、大学生の次男、高校生の三男、中学生の四男、保育園児の五男の5人兄弟です。
【母・佳世さん】「子どもがとんとんっとできて今、一番下がまだ小学校に上がっていないような状態なので、この先もずっと、コンスタントにずっとずっとお金がいるわけで…私たちの老後の資金は、ほぼ貯まっていないんですよ、ほぼゼロ」
【父・章匡さん】「貯金ないな」
釜渕さん一家のように子どもがたくさんがいる家庭の支出が、将来、大きく変わることになりそうです。 11日、岸田首相肝いりの“異次元の少子化対策”のパッケージとして「こども未来戦略」が発表されました。
■大学など高等教育の入学金と授業料の無償化が適応されると…?
ただし…この制度には「扶養している子どもが3人以上」という条件があります。 釜渕家の2028年度の扶養状況を見てみると、三男が専門学校を卒業して社会人となり、扶養から外れているので、扶養されているのは、四男と五男だけになり、この2人は「無償化」の恩恵が受けられないことになります。
‐Q:5人目の子は全く…
【父・章匡さん】「そう、恩恵ないわけでしょ。本末転倒って感じ」
【母・佳世さん】「そこね、頑張りましたけど。階段を上るように旦那さんのお給料が上がっていって、2人の残った子たちに払えるようになるのであればいいですけどね。ケガしたとか病気になりましたと、がくっと収入が減ったときは、本当に残ったあとの2人の子を大学に行かせてあげられるか、ちょっと不安だなとは思いますね」
■財源の確保は…増税しない?
11日「こども未来戦略」の実現には、全体で3.6兆円程度の予算が必要です。 財源としては、歳出削減などをすることで「新たな税負担は求めない」とする一方、約1兆円分は公的医療保険に“上乗せ”する形で徴収する方針です。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月12日放送)