京都府福知山市で6件の放火に関与した罪で起訴された19歳男の裁判が始まりました。事件で全焼した神社の再建を目指す地元の人たちが傍聴するなか、神社を狙った身勝手な理由が明かされました。
福知山市に住む当時大学生だった19歳の男は、5月から6月にかけて神社やホームセンターなど6件の放火に関与した罪などに問われています。12日に開かれた初公判で男は「間違いありません」と起訴内容を認めました。男は捜査段階で「世間から注目されたかった」と話しています。
放火された建物の1つ、400年の歴史を誇る福知山市の愛宕神社は全焼し、土台部分を残すのみとなってしまいました。
Q.これは何ですか?
【愛宕神社 土手隆晴筆頭総代】「ご神体です。一生懸命400年間、守ってきたんですけど…」
地元の人たちは8月、筆頭総代の土手さんを中心に愛宕神社の「再建」を目指す委員会を立ち上げました。
一番の課題は費用。本来の姿に戻すためにはおよそ1億4000万円が必要で、被告の男に賠償請求ができる可能性は低いのが現状です。 土手さんたちは議論を重ね、11月下旬から地元住民に寄付を募る活動を始めました。事件から半年たった今も、地元の苦悩は続いています。 12日の初公判には、土手さんも傍聴に訪れました。
【愛宕神社 土手隆晴筆頭総代】 「なぜ愛宕さんが狙われたのか、しかも全焼です。聞きたいです、そこら辺を聞きたいですわ」
土手さんが見守る中、検察側は冒頭陳述で被告について「大学生活が上手くいかないことなどにストレスを抱いていた。イライラした気持ちを放火により解消したいと考えるようになった」と指摘。
愛宕神社に放火した理由については「木造でできた神社であれば簡単に燃やすことができ、大きな火事になると考えた」と指摘しました。 一方、弁護側は「被告の責任能力について争う」と主張しました。 裁判を傍聴した土手さんは…
【愛宕神社 土手隆晴筆頭総代】 「もうひとつようわからん。神社って木造しかないやろ。そういう風にもっていくのが私は解せんですわ。どういう苦しみでいるのかを身をもって体感してほしい」
再建に向けた険しい道のりが続きます。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月12日放送)