■松竹が手掛ける 京都の夜を彩る期間限定のショー
京都の「夜」を舞台に期間限定の新たなショーが始まりました。なぜ「夜」なのか?そこには観光都市「京都」ならではの事情があるようです。
夜の先斗町に突如現れた異様な光を放つ行列。中には妖怪の姿も。一向が向かった先には…音と光にあふれた幻想的なステージが!こちらは、松竹が手掛ける京都の新たなエンタメショー『ZIPANGU 光が彩る演舞祭』です。 7日、芸舞妓などが舞を披露する歌舞練場を舞台に初公演が行われました。三味線に合わせ、美しい舞を披露しています。
OSK日本歌劇団が、舞台のテーマソングを歌い、光と音の華やかなステージで客席を盛り上げます。さらに、伝統芸能の石見(いわみ)神楽では、代名詞ともいわれるオロチが光りだし縦横無尽にステージを暴れ回ります。 異なる伝統芸能が一同に会し、現代風にアレンジされた新たなショーとなっています。
【松竹取締役常務執行役員・井上貴弘さん】 「皆さん想像されて、(伝統芸能は)ハードル高いものではと思われているので、身近なものとして感じていただこうということで。今回イルミネーションを付加して、新しい日本の伝統芸能の見方を提案できるかなと考えています」
■オーバーツーリズムなのに…なぜ? 目的は「時間の分散化」
ただ、京都といえばオーバーツーリズムという言葉もでてくるほど観光客であふれかえる状態。なぜいま、新たなショーを京都で発信するのでしょうか?
【松竹取締役常務執行役員・井上貴弘さん】 「やっぱり昼間を楽しんでいただくこともそうですけど、夜目当てに、あんなショーがあるんだったら、夜のショーを見てみようと。そういう分散化ですね。“時間の分散化”」
京都市は、混雑対策として「観光客の分散化」を推し進めていて、2019年ごろから朝や夜の時間帯における魅力を発信しています。年々コンテンツは増え、京都市観光局によると開始時と比べその数はおよそ5倍に増えてきています。 京都の夜の新たな「目的」となるべく始められた取り組みです。
ショーを見た人は…
【観客】 「福島県から今日(滞在)最終日だったので、ちょうどこれが見られて良かったです。日本の歴史と現代のアートとパフォーマンスと全部そろっているのでかなり完璧なバラエティに富んだいいものだったかと思いますね」
【観客】 「とても良かった。印象的で心動かされました」
【観客】 「私も京都人ですけど、混雑してほんまに大変やし、観光名所とかも人いっぱいやけど、夜の先斗町歩きつつこういう伝統芸能に触れるのは、京都とか日本の良さを再発見したなって気がします」
このショーは、12月11日までですが、成功すれば第二弾なども検討中とのこと。今後、「夜にこそ」行きたくなる京都の新名物になるかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月8日放送)