世界を魅了するK-POPアイドル。
「BTS」などをはじめ、2023年、アルバムセールスで最多を記録した「SEVENTEEN(セブンティーン)」や、メンバー全員が10代という若さでビルボードチャート1位を記録した「NewJeans(ニュージーンズ)」など、世界が注目しています。
そんな華やかな世界を目指す若者が関西にもいます。
2年前からK-POPアイドルを目指し、ダンスの練習に励む15歳。そんな若者の夢の実現に向けた、オーディションに密着しました。
■日本ではなく、あえて韓国でのデビューを目指す理由
K-POPアイドルを目指す寺園璃音(りの)さん、15歳の中学3年生です。
【寺園璃音さん】
「お兄ちゃんが韓国でデビューしていて、みんなの前に立って『すごい!』って言われているのを見て、自分もなりたいなって思いました」
兄のケイタさんはなんと韓国で活躍するアイドルグループ「EVNNE(イブン)」のメンバーなのです。10代で単身韓国に渡り、厳しい競争を勝ち抜いてデビューの夢を掴みました。
璃音さんは日本ではなく、あえて韓国でのデビューを目指しています。そこには強い“思い”がありました。
【寺園璃音さん】
「韓国は結構世界いろんなところをまわったり、歌とかダンスとか全部求められる実力系なので」
(-Q:やっぱり世界を目指したい?)
【寺園璃音さん】
「はい」
■韓国でアイドルになるには過酷な努力が必要
璃音さんがまず挑むことになるのがオーディションです。
韓国でアイドルになるには、まずオーディションに合格し、練習生として事務所に所属。さらに、その中で厳しい競争を勝ち抜くことが必要です。ここで選ばれた人だけがデビューできるという過酷な世界なのです。
レッスンでは、汗だくになるまでみっちり1時間半、ダンスの練習。
家では韓国でのデビューに欠かせないハングルの勉強もします。
(-Q:どう?ハングルは頭に入ってます?)
【寺園璃音さん】
「まあ、ちょっとずつ…?」
この日は家族でピクニックに行きましたが、スタイル維持のため、食生活にも気をつかっています。
(-Q:基本的に量は少な目ですか?)
【寺園璃音さん】
「少な目で頑張ってます」
そう話していた璃音さんですが、大好きなパンや、海苔巻きをおいしそうに頬張ります。
【寺園璃音さん】
「ん~うまい!」
【寺園璃音さんの父】
「きょうは食うね」
中学3年生、まだまだ育ちざかりです
■厳しい現実…食事制限と1日2時間のウォーキング
そんな璃音さんに、転機が訪れました。
韓国の、ある芸能事務所の関係者の前で、ダンスをした時の出来事でした。
【韓国事務所の関係者】
「ダイエット3キロ。3キロだけでも踊っているのを動画で見たときに、結構違うと思います」
ダンスができるだけでは認めてもらえない…
【寺園璃音さん】
「なんか、やっぱり体型、大事なんやなって思いました」
厳しい現実を目の当たりにし、璃音さんは1カ月後に控えたオーディションに向け、本格的な食事制限を開始。さらに毎日2時間のウォーキングをすることにしました。
【寺園璃音さん】
「歩くとかは精神的にこないけど、ごはんが大好きなんで、ちょっとしんどいかなって」
真剣に取り組む姿に両親の思いは。
【寺園璃音さんの母】
「食べるの我慢とか、かわいそうやなとは思うんですけど、でもね、一番やりたいって思うことを応援できる間は応援して」
【寺園璃音さんの父】
「もう、ほんまに好きなんですよね。ダンスもそうやし、歌もそうやし。お兄ちゃんを見てるし、絶対厳しいのはわかってるんですけど、頑張るだけ頑張ってみればって、僕は信じてますよ」
お父さんが作ってくれた鏡付きの部屋で、璃音さんはオーディションに向けて猛練習します。
本番で披露するダンスを繰り返し、繰り返し、納得がいくまで踊ります。
■オーディション前日に曲変更
オーディション前日。
この日はプロダンサーを目指している姉の玲奈(れな)さんに、オーディションで披露するダンスを最終チェックしてもらいます。
一緒に動き、動画を撮影して、細部まで璃音さんのダンスをチェックする姉の玲奈さんですが、ちょっと浮かない表情です。
そこで、オーディションで披露する予定ではない曲を試しに踊ってみると…。
【姉・玲奈さん】
「SNAKE(予定曲)より、よかった」
【寺園璃音さん】
「うそ!?」「これにするわ」
当初、かっこいい曲でオーディションに挑もうとしていた璃音さんですが、お姉さんのアドバイスを聞いて、かわいらしい雰囲気の曲に急遽、変更することにしました。
オーディション前日なのに、本当に大丈夫なのでしょうか?
【姉・玲奈さん】
「(璃音さんは)ガツガツ踊るから、かわいい系のほうがバランス取れていい」
【寺園璃音さん】
「曲は変わっちゃったけど、新しいかわいい自分を次のオーディションでは見せていこうと思います」
【姉・玲奈さん】
「がんばって」
■練習の成果は出せたのか!?オーディション当日
そして運命のオーディション当日。
約30人の参加者が次々に自慢のダンスや歌を披露していきます。
そしていよいよ、璃音さんの番です。日頃から勉強している韓国語で自己紹介をしました。
【寺園璃音さん】
(韓国語)「こんにちは、12番、寺園璃音です。よろしくお願いします」
前日に急遽変更した曲が始まり、璃音さんが踊ります。
と、そのとき!
審査員の一人が興味をひかれたのか、スマホで撮影をし始めました。
ダンスを踊り切った璃音さん。
これで終わりと思いきや、審査員が何やら話しかけてきました。
【審査員】
「1つ1つの動きを完璧にやり終えてから、次の動作に移らないといけません。それから上半身、下半身。このバランスをとって体を動かせるといいと思いますよ」
【寺園璃音さん】
「カムサハムニダ~」
特別にアドバイスをもらいました。
【寺園璃音さん】
「ちょっといつもより控えめに踊ってるんですけど、(アドバイスを)言われたから、もうちょっと落ち着いて。次から、アイドルらしく踊れるようにがんばります」
反省の言葉を口にしながらも、璃音さん、少しだけ手ごたえを感じていました。
■オーディションの結果は…
後日、結果を聞いてみると…
【寺園璃音さん】
「結果は通過して…びっくりしました」
見事、一次審査を突破していました。
いまはダンスと歌の課題を与えられ、二次審査の結果を待っているそうです。
【寺園璃音さん】
「有名になって、いろんなステージでお父さんとお母さんを呼んだりして、よかったやん!とか言ってもらいたくて、お兄ちゃんを目指しているから、世界で活躍できるアーティストになりたいです」
世界的なK-POPアイドルになる!
璃音さんの挑戦はまだまだ続きます。
(関西テレビ「newsランナー」2023年12月4日放送)