七夕伝説の里に広がる秋の絶景。巨大な吊り橋から眺める色とりどりの景色には、大切な人への思いが込められていました。
大阪府交野市にある「ほしだの森」。100ヘクタール、甲子園およそ26個分の広さの森は、今、色鮮やかな景色に包まれていて、鳥の鳴き声が聞こえてきます。ここは、古くから「七夕伝説ゆかりの地」といわれています。
色づいた木々の脇を流れるのは、「天野川」。さかのぼること1200年以上前、平安時代の歌人はこの川で七夕にちなんだ歌を詠みました。
山道を30分歩くと、七夕の里のシンボル「星のブランコ」が見えてきました。全長280メートル、高さ50メートルの国内最大級の吊り橋です。
360度見渡せる大パノラマの絶景です。いま、七夕の里は、赤や黄色、緑に染まっています。
【訪れた人】
「みんなインスタに載せていいなと思って来ちゃいました」
「留学生にもこの景色見てもらいたいなと思って、みんなで行こうって誘ってきました」
星のブランコに深い思い出のある人もいます。妻・安子さんを13年前に亡くした、梅木信幸さん(74)。
【梅木信幸さん】
「亡くなってもう14年やから、(星のブランコに来るのは)15~16年はたってる。20年になっているかも」
「これ、嫁さんや」と星のブランコで撮った亡き妻の写真を見せてくれました。この場所には、2人の思い出が詰まっています。
–Q:一緒に歩いた?
【梅木信幸さん】
「一番向こうまで行くやん、(妻は)怖がる。俺はさっと行くから。今の人が手をつないでいくの不思議でならんねん。昔の昭和時代はできん」
信幸さん自身も、心臓の手術をして、今週、退院したばかりです。橋を渡りながら、ひとつひとつ思い出をたどりました。
–Q:会えたら伝えたいことは?
【梅木信幸さん】
「ないねん。(妻が)いる気はするけどな。『何している』くらいしか言えへん。『いっぱい飲んでいるか』言うて…むちゃくちゃビール好きやってん」
織姫と彦星の思いをつなぐ、七夕の里、人々の思い出が詰まっていました。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月1日放送)