公立高校の受験の際に、病気にかかったり事故に巻き込まれたりした場合は「追試」を受けることが可能ですが、2024年からは生理に伴う体調不良でも追試を受けられるようにしようと国や自治体が検討しています。
■大事な日が、生理と重なってしまったことありますか?
街で聞いてみました。 「大事な日が、生理と重なってしまったことありますか?」
【高校生】
「修学旅行と、あと受験のときも生理でした。痛いけど、そのまま薬飲んで受けました」
【高校生と母親】
「テスト期間とかにかぶってしまうと、眠くなっちゃったりしてしまって集中できないなって感じることはよくありました」
【大学生】
「院試があったんですけど、ちょうどかぶっちゃって結構しんどかったんですけど、延期できないから頑張るしかなくて…」
■人生の分岐点に本来の力を発揮できるように
人生の分岐点ともなる「入試」が生理と重なると、痛みなどで本来の力が発揮できないこともあります。 11月16日、こうした現状について国会で議論が交わされました。
【国民民主党 伊藤孝恵議員】
「10代ってまだ生理周期とか不安定だったりするわけです。そういう時に一発の入試で追試も認められない、そういうことがないようにしていただきたいと思います」
議員からの問題提起を受けて、文部科学省は生理に伴う体調不良も追試の対象とすることが可能と、年内に各都道府県へ通知する方針を示しました。
【盛山正仁文科相】
「月経随伴症状等を含め、本人に帰責されない身体、健康上の理由により、やむを得えず用意された試験日程で受験できない生徒の受験機会を確保することが重要であると考えており、各実施者において、生徒の状態等を踏まえた柔軟な対応がされるよう促していく」
これまでは、公立高校の入試の際に、新型コロナやインフルエンザにかかった場合、また、災害や事件・事故、痴漢被害にあった場合は追試の対象とするよう、通知が出されていましたが、生理による体調不良は、追試の対象となっていませんでした。
番組が、LINEアンケートを取ってみたところ、女性で受験の経験がある人のうち、36パーセントが生理のタイミングが重なったと答えました。
■近畿・徳島では大阪・兵庫以外が追試の対象と認めている
受験シーズンを前に、クリニックには、受験と生理が重なることに対する相談がたくさん寄せられます。
【早川クリニック心斎橋 早川潤院長】
「最近は10代の方もよく来られて、『受験日に生理が重なってしまうので心配』とか、中には不順でいつくるかわからないので、なかなか予定がたちにくいという相談が多い。受験シーズンになってきますので、最近特に多いですね」
国は今後、通知を出すことにしていますが、自治体によっては先行して生理による体調不良を追試の対象として認めているところもあります。
【和歌山県教育委員会 下村史郎さん】
「受験者がやむを得ない事情で受験できなくなった場合に、再学力検査(追試)受験願いを届け出ることになっている。文言として生理に伴う体調不良についてと記載した文書や通知は発出していないが、体調不良の中に生理によるものも含むと理解して運用している」
近畿・徳島では、京都、奈良、滋賀、和歌山、徳島が認めています。 一方、大阪と兵庫は、現状、生理を伴う体調不良は、追試の対象と認めておらず、この課題について吉村知事は…
【大阪府 吉村洋文知事】
「追試験は、いまは感染症に限ってるんですけど、生理で身体がしんどくなる女性はいらっしゃいますから、学生が自分の力を発揮できるように追試験の機会を僕は作るべきだと思います」
吉村知事は、今後、国の通知を受けて正式に検討するとしています。
【早川クリニック心斎橋 早川潤院長】
「実際、やっぱり生理痛がひどくて集中できなかったとかもあります。本当に痛みがひどくて、いくら痛み止め飲んでもそれがコントロールできないっていう人いるので、特に受験って一生に一回ですし、人口の半分は女性なので、やっぱりそういうところにケアしてあげる政策だったり、入試の方法っていうのは非常に大切かなと思います」
まもなく受験が本格化しますが、高校入試はどう変わるのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月27日放送)