大阪・関西万博で会場のシンボルとなる「大屋根」の建設状況が報道陣に公開されました。 建設費が350億円かかるものの閉幕後は解体される予定で、波紋が広がっています。
27日、報道陣に公開されたのは、万博会場となる夢洲で建設が進む、リング状の「大屋根」。 完成すると、高さおよそ20メートル、1周およそ2キロで、世界最大級の木造建築物となります。
【記者リポート】
「こちら大屋根の上なのですが、会場が完成すれば、海外パビリオンなどが見渡せるということです」
大屋根の建設に採用されているのは、京都の「清水の舞台」にも用いられている、柱とはりを垂直に組み合わせる伝統的な工法。 現在、大屋根の工事のおよそ3割が終わっていて、来年の秋ごろにはリングが一つにつながる予定だということです。
一方で、大屋根の建設にかかる費用は350億円。 今回の万博の”シンボル”とされていますが、閉幕後は解体される予定です。これについては、万博会場の建設費が当初のおよそ1.9倍の最大2350億円に膨らんでいることもあり、その3分の1を負担する経済界などからは、批判の声も上がっています。
【関西経済連合会 松本正義会長】
「もともと(万博)誘致活動やっていた時はあんな大屋根はなかった。個人的にはなんでこんなもん造るんや。なんで350億円も使ってこんなもん造るんやと」
【日本国際博覧会協会 石毛博行事務総長】
「世界(のパビリオン)が見渡せる形で造られるリングですから、万博の会場において不可欠で象徴的なもの。私はその数字(=金額)については適切なものであると思っています」
日本国際博覧会協会は大屋根の必要性を強調した上で、閉幕後の活用方法については、「今後検討していく」としています。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月27日放送)