国の天然記念物「奈良のシカ」。やせ細ってしまったのは、何が原因だったのか?また、虐待といえる状況があったのか?奈良市が24日、調査結果を発表しました。
【奈良市・仲川げん市長】
「虐待にはあたらないけれども、動物福祉的には問題があるというのが今回の結論であろうと思っております」
法律に触れるような虐待とまでは言えないが、管理に問題があったというのが結論です。
問題となっていたのは、奈良の鹿愛護会が管理する施設の「特別柵」と呼ばれるエリアです。 ここでは、農作物を荒らすなど人に被害を与えたシカ268頭が収容されています。2023年8月、愛護会の丸子理恵獣医師が「十分にえさが与えられていない」などと通報をしていました。
先に調査結果を発表したのは、愛護会に管理許可を与える奈良県です。
【奈良県・山下真知事】
「(えさの量は環境など)動物の5つの自由という観点から調査したが、全ての指標に抵触していて、特別柵での収容環境は不適切であると判断しました」
エサは与えていたものの、栄養価が不足しているなどとして、特別柵の環境は不適切だったと指摘。一方で、シカの数が管理できる容量を超えた状態にあることなどを考慮し「許可を取り消すことは考えていない」と結論付けていました。
動物虐待の刑事告発も視野に、保健所が調査していた奈良市は…
【奈良市・仲川げん市長】
「栄養不良の個体であったり、衰弱による死亡が多いという問題であったり、さまざまなポイントが出てきたので、行政指導を行った」
奈良県と同様、えさやりや給水が不十分だったと指摘した上で、愛護会が調査に協力的なことなどを理由に文書での指導にとどめたということです。
愛護会側には、施設内の衛生環境を保つことなどを求めた上で、仲川市長は「奈良のシカを未来にわたって、野生の状態でしかも、われわれを和ませてくれる存在として守りついでいくために、人間側が何をしなきゃいけないか考えていきたい」と話しました。
【奈良の鹿愛護会 山崎伸幸事務局長】
「奈良市の方から、明らかに虐待の恐れがあると認められなかったと、当会としての主張がそのまま調査の中で明らかになったと考えております。頭数が増えることが続く限り衛生環境作り出すことは不可能です」
こう述べた上で、今後も特別柵の中でシカを保護するなら上限を何頭にすれば、衛生環境が保てるのかなど科学的な知見を示してほしいと訴えました。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月24日放送)