23日、大阪と神戸で阪神とオリックスの優勝パレードが繰り広げら、多くの野球ファンにとって、熱い1日となりました。阪神のV戦士、近本光司選手と木浪聖也選手、人呼んで「キナチカコンビ」が優勝パレードを終えて、関西テレビ「newsランナー」のスタジオに駆け付けてくれました。 早速ですが、パレードはいかがでしたか?
【阪神タイガース 近本光司選手】
「本当に人がすごいんですよ。甲子園もすごいですけど、やっぱこれだけファンの人や市民の人もすごい集まってくれて、いい経験できました。(名物ファンの“虎のおばちゃん”は見えましたか?)見えました。すごい人たちがいっぱいました」
【阪神タイガース 木浪聖也選手】
「(『木浪~』っていう声聞こえてました?)聞こえました、たくさん。日本一になって優勝しないと、こういうことはできないので、本当にいい経験させてもらいましたね」
■近本選手がけが 木浪選手はリストバンドを借りて打席に立った
今年、二人とも大活躍でした。
[近本光司選手]
・虎の不動の一番バッター
・日本シリーズMVP、盗塁王、ゴールデングラブ賞のタイトルを獲得
[木浪聖也選手]
・恐怖の8番バッターと恐れられる
・ショートの堅い守備でゴールデングラブ賞を獲得
ともに29歳。大学、社会人を経て、2018年のドラフト同期です。「キナチカコンビ」と呼ばれて、とても仲が良いということです。
二人の絆が見えたマル秘エピソードがあります。今年7月、近本選手がデッドボールを受け肋骨を骨折、一軍からの離脱を強いられました。その際に木浪選手が近本選手のリストバンドを着けて打席に立ち、大活躍しました。 改めて聞くのはヤボかもしれませんが、木浪選手、どうして近本選手のリストバンドを着けたのですか?
【阪神タイガース 木浪聖也選手】
「近本選手は1年目からずっと試合に出続けて、こういう離脱ってなかったと思います。けがで離脱は一番悔しいんじゃないかなと思って、一緒に戦う…じゃないですけど、自分から『リストバンド貸して』と言ったんですけど、近本に『俺死んだわけじゃないから』って言われた」
【阪神タイガース 近本光司選手】
「そこまでやらなくていい、本当にいいからみたいな。木浪選手の調子が良かったんで、そこから調子が下がってきてしまったら、無理して着けるみたいになったら、それは申し訳ないと思ったんで。(大活躍を見せてくれて)ああ、よかったとなりました。僕、テレビで見てたら、木浪が打席に入るとカメラが絶対リストバンドから顔にきてたんですよ」
【阪神タイガース 木浪聖也選手】
「(そのまま着け続けた?)そうですね。戻ってくるまで着けて、戻ってきて外しました。返さなくていいって言われたんで、今も自分で持ってます」
【阪神タイガース 近本光司選手】
「返してほしかったですけど。替わりがないときに黄色は返してもらった。もうひとつの青は返ってきてない」
■哲学者・近本選手に木浪選手が困惑?
次のマル秘エピソードは「哲学者・近本選手に木浪選手が困惑?」。ファンの皆さんからも近本選手は「哲学者」と言われてますが、木浪選手が近本選手にバッティングを教えてよと聞いた時、近本選手が「自分の範囲・ゾーンの中で打つのではなく、自分の外で捉える。すると自分の外にボールが飛んでいく」といったハイレベルな解説があったそうです。木浪選手は「ちょっと何言ってるかわかんない」となるそうですね。
【阪神タイガース 木浪聖也選手】
「言いたいことはなんとなく分かるんですけど、言葉が難しい。まあ自分にはピンとこない。1言ったら20ぐらい返ってくるんですよ。なので理解が追いつかなくて、いつも『ああ、そういうこと、ありがとう』になるんです」
【阪神タイガース 近本光司選手】
「すぐ終わるんですよ。僕は抑えて話しているんです。俺はこうしたらいいと思うけど、でも聖也だったら、こういったらどう?みたいに。そしたら『分かった』で終わり。もうちょっと言いたい部分もあるんですけどね」
【糸井嘉男さん】
「何言ってんのこれ?という感じですね」
■近本選手の「コンフォートゾーンの外側」とは?
もうひとつ、近本選手の哲学者エピソードがあります。以前はコーヒーが苦手だったというのが、今は克服されて大好きだそうです。その理由を聞かれて、「コンフォートゾーンの外側で行動すること。そうすれば変化が生まれる。」
【阪神タイガース 近本光司選手】
「コロナ期間で自粛の時だったんですよ。で、自分の好きなことばっかりしてても成長がないので、自分の好きなところよりも離れているところ、快適だと思うところよりもちょっとストレスがかかるところで行動すると、今まで見えなかったものが見えたり、知らなかったことを知ることができる。コーヒーが嫌いだったんですけど、飲み始めて好きになったと。
野球にもつながると思います。コーチに何か言われたときに『俺はこうなのに』っていう選手が多いんですけど、ちょっとやってみようかな、こういう一面が見えた、こういう使い方もできるんだ。自分の持っているものと合わせて、もっといいものを作ってみようとなる」
「コンフォートゾーンの外側」、自分の苦手とすることを克服して成長するという話で、なるほど…と思わされます。
■岡田監督の印象的な言葉
最後に岡田監督について聞きました。監督から近本選手にかけられた言葉で印象に残っていることなどありますか?
【阪神タイガース 近本光司選手】
「日本シリーズの初戦の前のミーティングでありました。相手がオリックスの山本投手でフォークがいいピッチャーなんで、自分のイメージとずれる幅が広いとやっぱり難しくて、その幅を狭めるっていうふうに言われて、それは自分も結構意識するところだったので、間違いじゃなかったんだなあってすごく感じました」
【阪神タイガース 木浪聖也選手】
「また難しく言ってるなあ。僕もミーティングで、その岡田監督の話はすごい覚えています。本当にその一言で結構チームとしても変わったというのもある。本当に入ってきましたね」
ミーティングでの岡田監督の一言が、日本シリーズ初戦で阪神打線が山本投手を攻略することにつながったようです。その他に木浪選手が印象に残っている岡田監督の言葉があるそうで、
【阪神タイガース 木浪聖也選手】
「あんまり会話っていう会話はないですけど、シーズン中盤になって疲れてきた時に、『疲れとるんか』みたいな感じだったんです。疲れてますなんて言えないので、『全然大丈夫です』と答えたら、『顔死んでるぞ』みたいな、げきを入れてくれました」
今年大活躍の近本選手、木浪選手が貴重なエピソードを教えてくれました。お二人とも、1年間本当にお疲れさまでした。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月23日放送)