日本最大の湖である滋賀県の琵琶湖で水位の低下が深刻です。 この影響で普段見ることのできない”幻の城の跡”も姿を現しています。
■琵琶湖が渇水状態に
近畿の水がめ・琵琶湖に異変です。
【記者リポート】
「滋賀県の琵琶湖でも今水位の低下が今問題となっていて、こちらも普段は水に浸かっているところが干上がってしまっています」
11月22日の水位は21日より1センチ下がり、マイナス62センチでした。琵琶湖の1センチの水量は約68億リットル分に相当し、渇水状態が続いています。 湖に浮かぶ鳥居の幻想的な風景が人気の琵琶湖の観光名所「白髭神社」。 11月22日の鳥居は底はまだ水に浸っていましたが、普段見えない部分が、むき出しになっていました。
【滋賀県 三日月大造知事】
「ずっと水位が下がり続けると取水を制限させていただくことも検討しなくてはなりませんので…」
観測史上最低水位のマイナス123センチを記録した1994年の琵琶湖大渇水では、京阪神地域で広範囲な取水制限を実施しました。 このまま琵琶湖の水位が下がり続けると、私たちの生活に大きな影響が出るおそれがあります。
■琵琶湖の渇水で出現した「幻の城跡」
渇水の影響はこんなところにもあります。
【坂本城を考える会 山本正史事務局長】
「このあたりまで水位ある、だから全然見えないんです、普通の時はね。それが平成6年(1994年の大渇水)に、水が引いて、ここに石垣が出たから、ここが本丸の跡だということがわかったんです」
姿を現したのは、普段は見ることができない坂本城の石垣でした。 坂本城は戦国武将・明智光秀の居城として知られ、正確な位置や規模が不明なため「幻の城」とも言われていました。
坂本城の石垣は1994年の琵琶湖大渇水の時に初めてその存在が明らかになり、今回の渇水で再び姿を現したのです。
【坂本城を考える会山本正史事務局長】
「県民としては、これ(水位低下)大丈夫かなとそのほうが心配ですね。(歴史がわかったのは)私はありがたいな、いや(水源としては)ありがたくないなという複雑な気持ちですね」
■西日本全体で深刻な雨不足
気象庁によると9月と10月に発生した台風はあわせて4回と統計開始以来、最少を記録しました。 例年と比べ秋の降水量が少ないため、雨不足は西日本全体で深刻な状況です。
京都府南丹市の日吉ダムでは、11月4日から20%の取水制限を行っていて、11月22日の貯水率は17.8%に。 危機的状況なのが、愛媛県大洲市の鹿野川ダムで、11月1日から貯水率は0%で、本来ならダムの底に沈んでいるはずの橋がむき出しになっていました。
むこう1週間は、西日本にまとまった雨の予報はなく、まだしばらく雨不足が続きそうです。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月22日放送)