走行中の車から外れたタイヤにあたり4歳の女の子が意識不明の重体となった事故。 逮捕された、若本豊嗣容疑者(49)は普段から車を改造していたといいます。
【近隣住民】
「(改造を)全部自分でしてた。除雪機も自分で直してたし、友達の車もいじったりしてたみたい」
自宅前に置かれた車も車高が高く改造されていました。 警察などによると事故を起こした軽自動車は知人名義だったことが分かっていて、交通事故を鑑定する専門家は「違法な改造車」だと指摘します。
【交通事故鑑定人 中島博史さん】
「タイヤがはみ出るような付け方をしています。メーカーが想定しているのとは違う構造になりますし、その部分の強度が足りなかったり、タイヤの位置関係とかというのも変更してしまうと、もともと設計していたのとは違う動き方になったりするので、それ自体も安全な運転というのはしづらくなる要素です。車の安全性に関して言えば低下するのは間違いないです」
10月には、東京・渋谷のスクランブル交差点付近で改造車が歩道に突っ込む事故を起こし、2人が重傷を負い、合わせて7人がけがをしました。 渋谷では、車体がタイヤから浮き上がった改造車が、弾むような動きをしながら走行するパフォーマンスが危険であるとみられています。
警察が取り締まりを行うも、「違法改造車」はなぜ、なくならないのでしょうか。 大阪市で車の整備や車検をおこなっている「カーテクノジャパン」。取材をした日も検査が行われていました。
【検査員】
「規定のトルク(ねじりの強さ)で締めます」
タイヤのナットも主要な点検項目のひとつで、緩みがないかハンマーでたたきながら確認します。
【検査員】
「ちゃんとしっかり締まっているのが分かります」
中には改造された車を持ってくる人もいるといいます。
【カーテクノジャパン 谷口清春専務取締役】
(Q.改造車持ってくる人いる? )「来られた場合は、窓口の段階でお断りしている」
車検の基準を満たさない車が公道を走ることがないよう安全のため断っているということです。
では、なぜ違法な改造車はなくならないのでしょうか。 大阪府内で車の販売や修理をしている会社に話を聞きました。
【大阪府内で車の販売 修理をしている人】
「車検のときに、違法改造でなければOKみたいな。車検のラインを通すときに。なので、車検終わってから違法に戻したら別に何も言われないっていう感じですね」
違法な改造車でも車検のときだけパーツを外してすり抜け、終わった後に元通りにする手口が後をたたないといいます。
【大阪府内で車の販売 修理をしている人】
「正直昔からの付き合いがあるお客さんやったらある程度は受けますね。いちげんのお客さんは断りますけど」
(Q.関係性があるから断りにくい? )「そうそう、いままでの関係性もあってね」
違法な改造車による事故を防ぐための有効な対策はないのでしょうか?
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月16日放送)