きのう11月5日、阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝きました。阪神タイガースの日本一戦士から大活躍の二人がスタジオ生出演しました。まずは今年WBCからフル出場の“虎の鉄人”中野拓夢選手。そして“虎の村上様”こと村上頌樹投手です。二人は同期だということで、そんな二人だからこそ語れる舞台裏など聞きました。
阪神とオリックスで活躍し、日本一のビールかけにも突撃した超人・糸井嘉男さんにも加わってもらいます。 日本一から一夜明けたところですが、いかがですか?
【中野拓夢選手】
「あんまり寝れてないです、はい。興奮してちょっと寝れなかったですね」
【村上頌樹投手】
「自分は少し寝れたと思います」
ファンのみなさんの姿を見ていかがですか?
【中野選手】
「そうですね、こうやってVTRを見て改めて鳥肌が立ちました。ここまで熱く応援していただいたので、本当に感謝しかないです。(パブリックビューイングをしていた甲子園球場の)盛り上がりは分からなかったので、映像で見て本当にすごい声援をいただいたなと感じました」
【村上投手】
「自分たちよりファンの皆さんが一番喜んでいるなって思いました。(関西出身なので)自分もやっぱ阪神に入る前は、タイガースを応援していまして、パ・リーグはオリックスを応援していたので、本当にうれしいです」
【糸井嘉男さん】
「(二人に向かって)本当にもう、すごいことやったんやで」
■「リラックスして試合に臨めた」と中野選手
激闘となった日本シリーズ。第7戦までもつれる拮抗した戦いとなりました。中野選手は特に印象に残っている試合はありますか?
【中野選手】
「第4戦のサヨナラ勝ちの試合です。自分にチャンスの場面で回ってきたんで、『自分で決めてやろう』という気持ちがあった中で、申告敬遠されました。自分で決めたかった気持ちもあったんですけど、あとは後ろのバッターに任せよう思い、(大山選手のサヨナラタイムリーヒットで)決まった時はうれしかったです」
糸井さんが印象に残った試合として、「第1戦。村上投手が自分の投球した。シーズン中もすごかったですけど、よりすごい球を投げていました」と話しました。村上投手自身で振り返ってみるとどうですか?
【村上投手】
「相手がオリックス・山本投手で、実力もすごいですし 日本のエースなので、自分は挑戦者っていうつもりで行きました。そこまで緊張することはなく投げることができました。今(テレビ生出演)の方が緊張しています」
村上投手は緊張すると顔が赤くなるという情報があったのですが、確かに今、顔が赤くなっていますね。
お二人とも初めての日本シリーズで、独特の雰囲気で、緊張感はありませんでしたか?
【中野選手】
「いや正直自分は全くなかったですね。前日から緊張せず、いつも通り、シーズン通りという形で、リラックスして試合に臨めたかなとか思います」
【糸井さん】
「中野選手はWBCも経験していますしね。村上投手は眠れなかったんじゃない?」
【村上投手】
「ぐっすり眠れました(笑)」
あらためて二人のプロフィールを紹介します。
・中野拓夢選手
1996年生まれの27歳。山形県出身で幼少期から阪神ファン。2020年のドラフト6位。今年WBCで世界一、今期はフルイニング出場しました。さらに今年は最多安打のタイトルも獲得しました。
・村上頌樹投手
1998年生まれの25歳。兵庫県淡路島の出身で近本選手と同郷だということです。2020年のドラフト5位で、中野選手とドラフト同期です。「虎の村上様」とも呼ばれています。日本シリーズではオリックスのエース山本投手と投げ合いました。今年は最優秀防御率のタイトルを獲得しました。
2020年のドラフト同期ということで、同期だから知っているお互いのエピソードはありますか。
【中野選手】
「(村上投手は)マウンドでは落ち着いているように見えますけど、結構ふざけたり、裏でちょっかい出したりとかしてるシーンをよく見かけます。意外とマウンドに上がっている姿と違うなと思っています。小幡であったり、森下であったり、その辺にちょっかい出して仲良くしてるのをよく見ます。かわいいなと思います」
【村上投手】
「(中野選手は)プレイそのままです。素でやっている感じです。プレイ中も、今も一緒です」
■中野・村上 恩師からサプライズメッセージ
ここで中野選手にサプライズです。中野選手をよく知る人物からのメッセージです。
【中野選手の恩師 日大山形高校 荒木準也監督】
「中野をキャプテンにしたんですけども、怒りづらいタイプのキャプテンなんです。顔も“いい顔”してるし。高校時代、中野にどうのこうのということを言った記憶はあまりないですね。
拓夢、日本一おめでとうございます。本当に僕自身も教え子として誇りに思っていますし、なおかつ1年ごとに成長している姿を見させていただいて、すごいプロ野球選手として洗練されてきたなって思っております。これからもその強い体を持って、“一流の脇役”を目指して、頑張ってもらいたいと思っています。本当に日本一おめでとうございます」
【中野選手】
「こういう風に褒めていただけることはなかなかなかったので、うれしいです。(褒めるのを) あまり直接は聞いたことないので、本当に染みました」
村上投手にもメッセージが届いています。
【村上投手の恩師 智弁学園高校 小坂将商監督】
「頌樹、日本一おめでとうございます。 2年生の秋ですね、 近畿大会で大阪桐蔭に負けて、取材の依頼が来て、その時に対応がちょっと悪かったので、本人にきつく怒りましたました。彼自身も絶対覚えてると思います。バス降りてグラウンドに出てきたら、一人だけめちゃめちゃ怒りました。
今年のジャイアンツ戦で7回まで完璧に抑えて、あそこでへばってる村上頌樹を見て、まだまだだなと思ったんですけど、まあ10勝できたのは素晴らしいことだと思うんで、“てんぐ”にならず、しっかりやってください」
【村上投手】
「高校の監督がやっぱり一番の恩師なので、本当にお世話になったので、ありがたいです。(怒られたのは)覚えています」
■村上投手 野球教室で「近本選手の隣、誰?」 悔しい思いも
村上投手の出身は淡路島で、阪神では近本選手と同じで、近本選手と一緒に淡路島で野球教室を開いたとき、教室に参加した子供から「近本選手の隣、誰?」と言われてしまい、悔しい思いをしたということです。
【村上投手】
「覚えています。 その時はまあ一応『村上やで』って言ったんですけど、ちょっと悔しかったですね。淡路島といえば近本さんがトップなので、負けたくないなという気持ちはあって、見返してやろうと思いました」
【糸井さん】
「やっぱり無名な選手と有名な選手で行くと、野球教室の最後のサイン会とかで並んでくれないんです。今年の村上投手の活躍で、(『誰?』と言った)その子、残念がっているんじゃないですか」
■岡田監督「投手なら村上。野手なら近本・中野」
岡田監督が日本一から一夜明けた今日11月6日の会見で1年間のMVPを発表しました。ビールかけの時は「MVPは全員だ」と言っていましたが、今日語ったのは… 「投手なら村上。村上なしでは日本一はなかった」 「野手なら近本・中野。相手にとって一番嫌な1・2番コンビ」 ということです。
【中野選手】
「(岡田監督がそんな発言をしていたとは)分からなかったです。自分は本当に近本さんかなと思っていたので、自分の名前がまさかあがるとは思っていなかったです。(1年間フル出場で)自分のできる役割はできたかなと思っています」
【村上投手】
「めちゃめちゃうれしいですね」
中野選手、村上投手、お疲れのところ、ありがとうございました。そしてあらためて、日本一おめでとうございます。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月6日放送)