11月5日夜、阪神ファンなどが大挙して押し寄せた大阪・ミナミの道頓堀。 大阪府警は1300人態勢で警戒にあたっていました。 検挙者0、ケガ人0。 38年ぶりの快挙の裏で、道頓堀に集結した群衆をコントロールした警察の動きを総力取材しました。
■過去の苦い経験からファンに寄り添った警備を
【大阪府警管区機動隊 高濱潤大隊長】
「優勝決定の際は一部興奮したファンの方は現場警察官の指示に従わないということは十分に予想されます」
振り返れば2003年のリーグ優勝の時は道頓堀で一部、暴徒化したファンが、警察官と衝突しました。部隊に向かって物が投げ込まれるなど、事件も多発し約5300人が道頓堀川に飛び込み1人が死亡しました。 機動隊の出発式では、その苦い過去の経験から、ファンに寄り添った警備を行うよう伝えられました。
【大阪府警管区機動隊 高濱潤大隊長】
「大部分のファンの方は純粋に優勝をお祝いしているだけですので、冷静な態度で声かけを行い、相手の気持ちを考えた広報活動を中心とした警備をお願いします」
■タイガースの優勝目前、道頓堀は「こんな大阪見たことない」状態に
【大阪市建設局の担当者】
「ほんなら開けましょか。水門開けますね」
実は、この日のために道頓堀川では、河口から水を引き入れて川の水位を約60センチ高くして水深3.6メートルにしていました。
【大阪市建設局の担当者】
「水位が低いと道頓堀川に沈んでいる自転車とか異物に当たる可能性がありますから。やはり人命第一」
水位を上げることで、飛び込んだ人を陸に引き上げやすくする狙いもあるようです。
■タイガースの日本一達成の瞬間…やはり始まった道頓堀ダイブ
【警察アナウンス】
「道頓堀川の水温が大変低くなっております。万が一、飛び込まれた際、足がつるとおぼれる危険性があります」
優勝直前、警察の呼びかける中、おおいに盛り上がるファンたち。 (ファン)「あと1球!あと1球!」
タイガース38年ぶりの日本一達成!その瞬間…警察が制止するにも関わらず、道頓堀ダイブが始まりました。 38年前の日本一の時、道頓堀川には、カーネル・サンダース像が投げ込まれましたが、今回はそのカーネルに扮装した男性が川に投げ込まれました。
警察は戎橋の西側を中心に規制をかけましたが、結局、その規制外の先、東側のエリアで、ダイブする人が続出しました。東側も規制しなかったことについて、大阪府警は、「東側の遊歩道に人を入れることによって戎橋上の人の密度を緩和できる。東西を規制すると、橋に人が集中し、巡回できなくなる」としています。
大阪府警によると、今回の飛び込み者は37人で、幸いにもケガ人0、検挙者0という結果となりました。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月6日放送)