10月26日、出廷したのは弁護側の請求に基づいて青葉被告の精神鑑定を行った医師です。青葉被告が起訴されてから12回の面接をしています。 法廷ではこう証言しました。
【精神鑑定した医師(弁護側が請求)】
「被告は妄想が慢性的に続いていた。妄想は犯行動機を形成している」
青葉被告について「重度の妄想性障害」と診断し、10年以上にわたり強い妄想を抱いていたと指摘しました。
青葉真司被告(45)は4年前、京都アニメーションの第1スタジオにガソリンをまいて放火し、36人を殺害した罪などに問われています。 これまでの裁判で青葉被告は犯行の動機について「京アニに小説のアイデアを盗まれた」と説明していて、弁護側は妄想の影響があったとして無罪を主張しています。
一方、検察側は「妄想に支配された犯行ではなく、京アニを許せないという筋違いの恨みを募らせた犯行」で責任能力があったと主張しています。
「責任能力」が最大の争点となる中。 10月23日、検察の依頼で起訴前に1回目の精神鑑定を行った医師は被告は「妄想性パーソナリティー障害」だったと説明した上で、
【精神鑑定した医師(検察が依頼)】
「(動機の形成には)京アニに対する被害妄想が影響を及ぼしたが、そのほかの部分にはほとんど認められなかった」
犯行自体には妄想の影響がなかったと述べました。
そして26日、起訴後に2回目の精神鑑定を行った医師が出廷。
被告人には15年前の30歳ごろに妄想が出現したと指摘しました。 そのうえで、「本人は妄想と現実が区別されておらず、妄想での出来事はすべて体験したと思っている」などと説明。 「重度の妄想性障害」と診断し、「妄想が犯行動機を形成している」との見解を示しました。
また、医師は面会した時に青葉被告は「極刑以外はありえない。裁判を早く終わらせたい」と話していたと明かしました。
11月6日、責任能力について検察側、弁護側の双方が意見を述べる中間論告が行われる予定です。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年10月26日放送)