11日午前9時前、京都市の「ウェスティン都ホテル京都」に現れた藤井聡太七冠、21歳。数々の伝説を作ってきた藤井七冠が11日、前人未到の大記録をかけた一局に臨んでいます。
■数々の伝説をつくってきた藤井聡太七冠 前人未到の“八冠”なるか
藤井七冠は2016年、史上最年少となる14歳2カ月でプロデビュー。するとデビューからなんと破竹の29連勝。いきなり将棋界の連勝記録を更新し、世は「藤井フィーバー」となりました。
その一挙手一投足と、中学生とは思えない発言が注目を集めました。
【藤井聡太七冠(当時14歳・四段)】
「自分の実力からすると『僥倖』としか言いようがない」
その勢いは止まらず、2020年には史上最年少の17歳11カ月で初タイトル「棋聖」を獲得。その後も、数えきれないほどの記録を打ち立ててきました。 2023年6月には、名人戦で勝利し七冠に。2017年に現行の八大タイトル戦になってから初となる「八冠独占」まで、「王座」を残すのみとなったのです。
■「最後の壁」盟友・永瀬王座 最後の一冠をかけた勝負
最後の一冠をかけ、藤井七冠の挑戦を受けるのが、永瀬拓矢王座(31歳)。将棋へのストイックな姿勢から、ファンの間では「軍曹」とも呼ばれています。藤井七冠とは10歳離れていますが、長年ともに練習を重ねてきた、いわば盟友の関係です。
「最後の壁」にふさわしい永瀬王座との五番勝負は、接戦が続きましたが、藤井七冠が先に2勝をあげ、偉業達成に王手。
11日の第四局を前に、ファンの期待も高まっていました。
【対局会場に訪れたファン】
「ひたむきに頑張っているところが好感もてる。永瀬さんにも頑張ってほしいんですけど、やっぱり最終的には藤井さんに勝って八冠取ってほしいです」
対局は、負けられない永瀬王座が早速勝負を仕掛け、藤井七冠は、長考を迫られます。 厳しい戦いの中、将棋メシには、おすし”八貫”ではなく、”七貫”の盛り合わせをチョイス。
おやつには、丹波栗とラズベリーのムースを選びました。これに対し、対局中にしばしば大量の飲み物を注文することで知られる永瀬王座は、昼食とおやつであわせて5種類のドリンクをオーダー。
食事でも2人が火花を散らす中、ファンも固唾をのんで対局を見守ります。
【将棋ファン】
「きょう、すごく期待しています。(きょうの戦況は)山あり谷ありですけど、藤井さんならきょう決めるんじゃないかなと思っています」
■今夜中に偉業達成なるか 藤井七冠の地元では早くも祝う準備が…
一方、藤井七冠の地元、愛知県・瀬戸市の喫茶店では、早くも八冠達成を祝う準備が進められています。
【喫茶スマイル・鈴木松子店長】
「早く八冠になってほしくて楽しみです。取る瞬間をこの店で、皆で味わいたいです」
【店に訪れた人】
「きょう会社休んで東京からきました。勝ったときに、商店街でくす玉割るので、その場所にいたいなと思って」
大注目の一局。偉業達成となるか、最終局にもつれこむのか。11日夜にも決着がつく見通しです。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年10月11日放送)