時間外が月に約200時間 長時間労働で過労死の26歳男性医師 遺族が会見「休めるんやったらいくらでも休んでる」 病院側は過重な労働は強いていないと主張 2023年08月18日
神戸市の病院の男性医師が自殺し、労災と認定されたことを受け、遺族は今後、病院に対し、民事裁判を起こす予定だと明かしました。
■長時間労働で過労死の26歳男性医師 病院側「過重労働強いてない」
神戸市の甲南医療センターの医師だった高島晨伍(たかしま・しんご)さん(当時26歳)は、2022年5月、自宅で自殺しているのが見つかり、極度の長時間労働が原因として労災認定されています。
高島さんの母親と医師である兄が記者会見し、病院への怒りを訴えました。
【高島晨伍さんの母・髙島淳子さん(60)】
「甲南医療センターでは、十分な労働管理はなされませんでした」
労働基準監督署が調査したところ、直前の時間外労働が月およそ200時間、直前の3カ月平均でも165時間。
当直勤務だったとみられる2022年2月22日では、勤務が終わったのは「40時」。つまり、翌日の午後4時まで続けて勤務していたと認定しています。
しかし、病院側はこうした長時間勤務について、研究など“自己研鑽”の時間も含まれていて、「過重な労働は強いていない」と主張したのです。
■遺書には最後まで周りを気遣う言葉が…遺族が涙の会見
【高島晨伍さんの母・髙島淳子さん(60)】
「休めるんやったらいくらでも休んでいるわ。休まれへんから行っている。『休まれへんねや』って言っていました」
「優しい医師になりたい」と話していたという高島さん。遺書には周りを気遣う言葉が残されていました。
会見で、高島さんの母が涙ながらに遺書を読み上げます。
【高島晨伍さんの母・髙島淳子さん(60)】
「病院のスタッフの皆さん、優しく気遣ってくれてありがとうございました。何も貢献できていないのに、さらに仕事を増やし、ご迷惑をお掛けしてすみません」
「お母さんへ改めて、もっといい選択肢はあると思うけど、選べなかった。本当に本当にありがとう。自責の念を持たないで。大好きです」
遺族は今後、病院側に損害賠償を求める民事裁判を起こす意向です。
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月17日放送)