マイナンバーカードをめぐる相次ぐトラブルを受け、政府は8月8日、9月中をめどに、人為的なミスを防ぐガイドラインの策定などの再発防止策を発表しました。一方、事務作業を担う関西の自治体からは、困惑の声も上がっています。
■信頼回復なるか? 相次ぐトラブル…政府が“再発防止策”発表
政府が進めるマイナンバー制度の総点検。8月8日、2回目となる会合で岸田総理は、改めて信頼回復の徹底などを関係閣僚に指示しました。
【岸田文雄首相】
「マイナンバー制度に対する信頼を回復し、デジタル化に際してデジタルとアナログを併用することなどの工夫を通じて、国民が安心してデジタル社会に移行できるよう政府、自治体、関係機関が一丸となって全力を尽くしてください」
政府はマイナンバーカードと健康保険証を一体化し、現在の健康保険証を2024年の秋に廃止する方針ですが…
マイナンバーカードと一体化した健康保険証に別人の診療情報などがひも付けられたケースが、2023年5月以降、相次いで発覚しました。
【河野太郎デジタル相(2023年5月)】
「誤ったマイナンバーを登録したと承知していますので、事務的な保険者の手違いが原因と認識しております」
河野大臣は当時、健康保険組合などによる“人為的ミス”だと釈明しました。この事態を受け、健康保険証の廃止を見直すよう求める声が上がりましたが、岸田総理は8月4日、ひも付け情報の総点検と修正を行った上で、あくまで一体化を行う考えを改めて示していました。
【岸田文雄首相(8月4日会見時)】
「我々日本が目指すものは、世界最先端のスマート行政府の実現です」
■原因は“人為的ミス” 保険証に別人情報…新たに1000件発覚
しかし問題はそれだけではなく、別人の公金受け取り口座が誤って登録されたり、マイナポイントが他人に付与されたりと様々なトラブルが発覚しています。
【河野太郎デジタル相】
「点検本部では、総点検に関する中間報告、再発防止対策、国民の信頼回復にむけた対策、これらを合わせて政策パッケージとして取りまとめをしました」
8日の中間報告では「マイナ保険証」で、他人の情報が誤登録されるミスがこれまで分かっていた7372件に加え、新たに1069件あることが分かりました。
【河野太郎デジタル相】
「今後もマイナンバー制度を有効に機能させていくためには、やはりひも付けが正確であることが大事だと思います。特に点検ミス、入力ミスといった人為的なミスをいかになくしていくかというのが大事だと思います」
政府はマイナンバーのトラブルの再発防止策として、登録事務に関するガイドラインなど横断的ルールを9月中に策定するとし、マイナンバーの照会方法の改善、登録事務のデジタル化を進めるとしています。また、11月末までに個別のデータの総点検を終えたいとしています。
■政府の発表を受け…自治体では困惑の声「国の方からやり方示して」
政府はマイナンバーのトラブルの再発防止策として、登録事務に関するガイドラインなど横断的ルールを9月中に策定するとし、マイナンバーの照会方法の改善、登録事務のデジタル化を進めるとしています。また、11月末までに個別のデータの総点検を終えたいとしています。
政府から示された再発防止策について、自治体はどう受け止めたのでしょうか?京都市では…
【京都市マイナンバーカードセンター 中嶋和重企画推進課長】
「新たに人員確保までは今のところは想定していないのですが、まだ何も示されていない中ではありますので。今後、国の方からやり方をお示しいただきたい。(Q.京都市として人為的的ミスを防ぐために?)慎重かつ確実に、一つ一つの事務を行っていくことかなと」
8月4日に政府が発表したマイナトラブルの“再発防止策”。国民の信頼を取り戻すことができるのでしょうか?
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月8日放送)