夏休みの旅行・帰省に大打撃 ガソリン価格の高騰が止まらない 秋には“200円突破”も!? 「補助金」終了で10月以降さらに値上げの気配 2023年08月03日
この夏、旅行や帰省を予定されている方も多いと思いますが、とにかくガソリン価格の高騰が止まりません。
一体どこまで上がるのか?専門家の方に伺います、野村総研エグゼクティブエコノミストの木内登英さんです。
■47都道府県で最もガソリン代が高いのは「長野県」 その理由は…
総務省の家計調査によりますと、ガソリン代は1世帯あたり、月平均で5~6千円支出しているのですが、8月は月平均に比べて13%も支出が増えます。
また、大手旅行会社の調査によりますと、2023年に「車で旅行する」という方は5割近くもいるということです。
車で出かける方は多いですね。
では、ここでクイズを1つ、全国47都道府県の中で最もガソリン価格が高いのはどこでしょう?
最も高いのは「長野県」なんです。
赤いところはガソリン価格が高い都道府県トップ5です。一方、青いところはガソリン価格が安い都道府県トップ5です。
長野県が最もガソリン価格が高くなっていますがどうしてでしょうか?
【野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん】
「輸送コストが影響しているのではないでしょうか。長野は内陸部なので運ぶためのコスト高が要因となっていると思います」
■どうしてこんなにガソリン代が高いのか?「3つの背景」とは
では、どこまでガソリン価格は上がるのか、改めて価格高騰の推移を見ますと…
レギュラーガソリンの全国平均価格は5 月15 日167.8 円から11週連続で高騰し、現在176.7円という15年ぶりの高値水準になっています。
現在、国の補助金が8.1円出ていますので本来は184.8円なんだそうです。
どうしてこんなに高騰しているのか?木内さんによりますと、その理由は「原油高」「円安」「補助金が減っている」という3つが背景にあるそうです。
【野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん】
「原油は7月に入ってから価格が上がっています。さらに為替も7月から円安になっています。業者は、ドル建てで原油を買うので、もともとの原油価格も上がっているので、ダブルで上昇していることになり、それが価格に転嫁されています」
■「ガソリン補助金」の制度終了で秋には”200円突破”も…
政府の補助金には期限があるそうなので見ておきましょう。
政府は2022年1月からガソリン補助金制度を導入しているのですが、6月から「補助率」が2週間ごとに1割ずつ引き下げられていて、9月末で補助金制度は終了することになっています。
ガソリン価格が高騰しているタイミングで補助金を減らすのは本当にアリなのでしょうか?
【野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん】
「財源の問題もあります。既に4 兆円規模で補助金を出していて国もかなり投入している。これは税金であり国債等々なので、結局は国民の負担になるので、いつまでも続けることはできません。あとは『脱炭素』の流れもあるので、”出口”を考えていかないといけません」
補助金がなくなる10月以降は、さらにガソリン価格は高騰するとみていいのでしょうか?
【野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん】
「9月末に補助金が完全になくなったら、10月に入って190円台前半になるでしょう。もうちょっと原油高が進んで、そこに円安が加われば200円もあり得ます」
ココで視聴者の方から質問です。
Q:いつになったらガソリン価格は下がるのでしょうか?
【野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん】
「私は下がってくると思います。ガソリン価格は”海外の要因”で決まるので、各国で金融引き締めをしていることに加えて、中国では景気の減速が出てきています。そうすると原油の需要が弱くなり、原油価格が下がってきます。そして景気が悪くなると、実は円高になりやすいです。世界景気が悪くなると、原油価格が下がって、円高にもなる。希望も込めると、年末には150円台になる可能性もある。今がピークに近いかなと思っています」
「年末には下がってくるかも」という嬉しい見解も…。
とはいえ今から秋にかけてが価格高騰とのピークになりそうとのことで、当面は車ユーザーにとって頭の痛い日が続きそうです。
(関西テレビ「newsランナー」8月3日放送)