大阪自民・衆院選に向けた候補予定者を発表 「イメージ刷新」と訴えるも再任が3人 “選び直し”対象となり「保留」の前議員も 「いい加減にしてほしい」と不満示す 2023年08月03日
8月2日、自民党の茂木敏充幹事長が大阪市内で記者会見を開きました。発表したのは、次の衆議院選挙に向けて新たに内定した、大阪府内の候補予定者たちです。
自民党は、前回の衆院選で維新に「全敗」するなど、大阪で敗北が続く現状を立て直そうと、「大阪刷新本部」を立ち上げ、候補者を公募で選び直したのです。
大阪の10の選挙区で公募を行う、まさに「異例」の対応。大阪府連のトップ、谷川とむ会長は、その刷新をこう表現していました。
【自民党大阪府連・谷川とむ会長】(7月2日)
「”大手術的“に何かを変えなきゃならないといった時には僕らも嫌ですけれども、やっぱり血を流さざるを得ないのかな」
一方、この裏では、次々と不満の声が上がっていました。
【大阪4区が地盤・中山泰秀前衆院議員】(8月2日)
「国際会議場(グランキューブ)に私が防衛省の副大臣だった時にワクチン接種会場を一番最初に持ってきた。英断をしたことは何の評価も今回ないわけですよ」
疑問を呈したのは自民党の大阪4区の候補予定者に当初内定していた、中山泰秀前衆議院議員。 過去の当選回数は5回、外務副大臣などを歴任しましたが「選び直し」の対象となり、7月、茂木幹事長に直接抗議するも決定は覆らず、今回公募に応募しました。
中山前議員のように、今回「選び直し」の対象となったのは、合わせて6人(大阪4区・8区・11区・12区・15区・17区)。 このうち、政治家引退を表明した佐藤ゆかり氏を除く5人全員が公募に応募しました。
中山前議員は7月、自民党本部による「選びなおし」の面接を受けました。
【大阪4区が地盤・中山泰秀前衆院議員】
「ぜひ国家国民のために大阪4区から、自由民主党の公認候補として役立てるような高みを目指していきたいと話しました」
また、同じく選び直しの対象となった自民党・岡下昌平前衆議院議員も面接を受けましたが、2日になっても「結果の連絡がない」と話し、党本部の対応への不満を口にしました。
【大阪17区が地盤・岡下昌平前衆議院議員】
「公募にいたった経緯もあやふやだったじゃないですか。それがずっと今まで変わらずに結論までも分からないような状況なので、いい加減にしてほしいですね」
■ 党内に禍根を残したまま迎え…候補者の顔ぶれは?
2日、70人の中から、書類選考と面接で選ばれた候補者の顔ぶれを見ると、公募枠の「10」の選挙区のうち、“まっさらな”新人候補が内定したのは「5つ」。
このうち、前回まで佐藤ゆかり氏の地盤だった「大阪11区」の候補になったのは、コンサルティング会社勤務の大辻沙耶さん、28歳。
候補者が決まっていなかった大阪18区には、福岡県出身の演歌歌手、尾形大作さんが内定しました。
一方、「イメージ刷新」を図るためだったはずの今回の候補者選び。その基準は明確には示されず、ふたを開けてみれば、前回の衆院選に出馬した候補者「3人」が「再任」されていました。
そして、別の場所にいた中山前議員と岡下前議員。会見の場には呼ばれず、彼らが基盤とする「大阪4区」と「大阪17区」は「保留」とされました。
-Qどういうことですか?
【大阪4区が地盤・中山泰秀前衆院議員】
「私に聞かずに党の執行部に聞いてください。オフィシャルに党本部から何らかの連絡があったかことはありません」
【大阪17区が地盤・岡下昌平前衆議院議員】
「いつまでに決めるということも無かったので、どういう立場なのか分かってないのが正直なところです」
茂木幹事長は2人のことは改めて判断すると述べました。
【自民党・茂木敏充幹事長】
「刷新というのは新しく変えていくということ。人が変われば新しくなる。そういう面もあります。自民党大阪としての、各支部長がワンボイスになって訴えることができる政策を発表していきたい」
新たに発表された”布陣”によって、”維新の会の独壇場”ともいわれる大阪で、新たな基盤を確立できるのかどうか注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月2日放送)