開幕まで2年を切った大阪・関西万博に向けて、先ほど会場と周辺の港を船で結ぶ計画の詳細が発表されました。準備が進む一方、万博の華、海外のパビリオン建設をめぐり、「撤退する国があるかもしれない」という見方が浮上。何が起きているのでしょうか。
およそ2820万人が来場すると見込まれている、大阪・関西万博。 博覧会協会は19日午後、会場となる夢洲まで来場者を“船”で運ぶ計画について、事業者などに説明を行いました。 関西各地から海を経由する方法として、9つのルートから検討・調整していることなどが報告されました。
【博覧会協会者の担当者】
「水上交通の検討は他の分野に比べると遅れている状況だったが。水都大阪としての水上交通のニーズについて、改めて博覧会協会としても認識したところ」
万博に参加する海外勢の準備も進んでいます。カナダは18日、万博に正式に参加する契約を博覧会協会と結びました。 カナダは1970年の大阪万博から日本で開催された全ての万博に参加してきた成果があると強調した上で…
【カナダ政府代表 ローリー・ピーターズ】
「カナダとしては、タイプAパビリオンに関して、私たちが全て建設するので、(協会・日本政府の)サポートは必要としないことを約束します」
カナダの食や豊かな自然を紹介する予定で、すでに日本の建設会社との契約を終えているということです。
カナダのように、日本の建設会社と契約して独自でパビリオンを建てる国はおよそ50カ国。各国が趣向を凝らした独自のパビリオンはまさに”万博の華”といえます。 実際、2022年3月まで開催されていたドバイ万博でも…
【記者リポート】
「人気のパビリオンの一つサウジアラビア館です。なんとこちらの鏡、大きさでギネス記録に登録されているということです」
個性的、かつ豪華けんらんなパビリオンが立ち並んでいました。しかし今、ある大きな問題が浮上しています。
■“パビリオン建設が間に合うのか問題”が浮上
パビリオン建設が間に合うのか問題です。
【記者リポート】
「会場の中央あたりに海外パビリオンが立ち並びますが、まだほとんど何もできていません」
実は、資材の高騰や人手不足などの影響もあり、建設会社が海外パビリオンの工事を受けたがらず、建設会社さえ決まっていない国が多いのが現状です。
大阪市への建築許可申請は現時点で1件もなく、「建設の遅れ」が懸念されています。
こうした中、博覧会協会は先週、デザインの簡素化や建設工事の発注を代行する案などを参加国に示したことを明らかにしました。
【2025年日本国際博覧会協会 石毛博行事務総長 7月13日】
「そういう案を出さなくてはいけないことになったのは、ちょっと残念」
建設工事の代行となると、協会が建てたものを利用することになり、独自で建設するパビリオンと比べても魅力が失われかねません。
一方、博覧会協会の副会長を務める関西経済連合会の松本正義会長は、参加国側への不満をあらわに。
【関西経済連合会 松本正義会長】
「いまだに何の返答もない国もあるらしい。設計もない、日本に対して何のレスポンスもない。私はビジネスマンやからそれはおかしいやないですか」
その上で、個人的な意見としながらも…
【関西経済連合会 松本正義会長】
(Q.撤退する国は出る?) 「あるでしょうね。外交上問題だと思うけど、向こうが嫌だと思ったらしょうがないわな」
徐々に明らかになってきた準備の遅れ。はたして各国の独自のパビリオンが立ち並ぶ万博は実現するのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」7月19日放送)