万博でビックリ!あの「人間洗濯機」再び 2025年万博は“子宮の優しさ”表現したデザインの「シン・人間洗濯機」 半世紀を経て…“ココロを洗う”機能も!? 2023年07月11日
大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展する企業が、11日午後、テーマを発表しました。
■『未来のヘルスケアサロン』『卵は地球人を救う』 関西の名だたる企業がテーマを発表
【出展企業の担当者】
「美容と医療を融合させ、人々が快適で健康に暮らせる社会を促す『未来のヘルスケアサロン』を発表します」
【出展企業の担当者】
「『卵は地球人を救う』と題し、10歳若返る未来の卵を創造します」
名だたる企業が次々と発表するのは、万博での“出展テーマ”です。万博に大阪府と大阪市などが出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」は、食や先端医療といった各分野で、関西ゆかりの企業などが出展します。こうした中、パビリオンの推進委員会の会合が11日に開かれ、各企業が出展のテーマを発表しました。
【大阪府 吉村洋文知事】
「大阪のパビリオンという中でストーリーにしていく。『未来社会ってこうなる』っていうストーリーにしていく。それをこれから皆さんとやっていきたい。非常にワクワクしてきた」
大阪の強みを生かして明るい未来が感じられる展示を目指す「大阪ヘルスケアパビリオン」。徐々に全貌が明らかとなり、期待が高まります。
■前回万博でも注目された“アレ”が進化 2025年バージョン「シン・人間洗濯機」明らかに
11日の発表で、前回の大阪万博でも注目された「人間洗濯機」の2025年バージョン「シン・人間洗濯機」について明らかになりました。体だけでなく“ココロも洗う機能”があるということですが…
1970年に大阪・吹田市で開催された「大阪万博」では、未来を感じさせる展示品の数々に当時、大勢の人が魅了されました。中でも注目された展示品の1つが「人間洗濯機」です。
【1970年当時のナレーション】
「浴槽内にゆったり座っているだけで、目に見えない汚れまで落とし、心地よく温められマッサージされるこのお風呂」
あれから50年以上の時を超えて、ベールを脱いだのが、「シン・人間洗濯機」です。
開発は、小さな泡を使った高性能シャワーなどで知られる大阪の会社「サイエンス」が担当します。湯船に浸るだけで身体の汚れを落とすというコンセプトは、これまで培ってきた毛穴の奥まで届くという泡の技術で実現しました。
このシン・人間洗濯機のデザインなどに大きく関わっている人たちがいます。
【エンジニア 山谷英二さん】 「ずいぶん進みましたね」
【デザイナー 上田マナツさん】 「やっぱり曲線は優しくていいですね」
サイエンスの幹部にアドバイスをしているのは、デザイナーの上田マナツさんと、エンジニアの山谷英二さん。実はこの2人、およそ50年前の人間洗濯機を開発・デザインした中心メンバーなんです。サイエンスが前回の人間洗濯機の夢を引き継ぐため、アドバイザーとして招き入れました。
【デザイナー 上田マナツさん】
「“子宮の優しさ”を表現できないかなというのが、このデザインのヒントになっています。デザイナーいうのはやっぱり未来を考える仕事ですから」
【エンジニア 山谷英二さん】
「人間洗濯機のことをずっと考えてきてる。人間洗濯機は僕のライフワーク。万博という大事業に参加させていただいて、ほんまに感謝しています」
■ミライの「人間洗濯機」 デザインだけでなく、“ココロも洗う”機能も新しく
新しくなったのはデザインだけではありません。シン・人間洗濯機は“ココロも洗ってくれる”というのです。
人間洗濯機の“ココロも洗う”技術を研究しているのは、大阪大学の神吉輝夫准教授です。神吉准教授は心拍数や自律神経の状態を読み取る機器を研究。今回のシン・人間洗濯機にはその研究が生かされています。
【大阪大学 神吉輝夫准教授】
「目指しているのは、毎日お風呂に入っていただくと、その人がリラックスしているのか、疲労困ぱいしているのか、そのデータをAIで解析して、その人好みのリラックスする映像を映す」
早速、記者が体験してみます。
【大阪大学 神吉輝夫准教授】
「出てますね、心拍数70。いたって緊張してないですね」
【藤井凌記者】
「さっきまで緊張してたのに。情報の中でも細かい分析をして、2025年の万博では前に流すモニター映像が個人に応じて変わってくる」
【大阪大学 神吉輝夫准教授】
「そうですね」
シン・人間洗濯機で測定した心拍数などから心理状態を分析、人工知能=AIによってその人がよりリラックスできる映像をモニターに映し出します。こうしてリラックスすることが「ココロも洗う」機能なのです。
「大阪万博」に向けて生まれたこの機能、今後はより多くの人から測定データを集めて、健康管理にもつなげたいと言います。
【大阪大学 神吉輝夫准教授】
「毎日毎日、個人のデータを集めていく。健康だったときから何年かたって、不調になってきたのがいち早く分かる。例えば不整脈の人は、心拍のデータが乱れるのですぐに病気だと分かる」
半世紀の時を経て、ココロも洗えるようになった「シン・人間洗濯機」。お風呂が健康を管理してくれる!そんな時代が来るかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2023年7月11日放送)