“幻の昆虫”といわれ毒を持つ“真っ赤なクワガタ”のように見える「ヒラズゲンセイ」が兵庫県朝来市で確認され、市が注意を呼び掛けています。
真っ赤なクワガタに見えるこの昆虫…クワガタではありません。「幻の昆虫」ともいわれるヒラズゲンセイです。
朝来市によりますと、7月5日の午前7時半ごろ、朝来市の和田山地区で、市内の小学校に勤める教師の石坪典子さんが職員用駐車場で発見しました。
石坪さんは数日前に、『真っ赤なクワガタに注意』というインターネットニュースを見ていたことから、ティッシュぺーパーで包んで捕獲し、プラスチックケースに入れました。
その後、朝来市役所の市民課環境推進室に届け出て、職員がヒラズゲンセイであることを確認したということです。
ヒラズゲンセイの大きさは18ミリから30ミリほどで、鮮やかな朱色で大きな頭とアゴを持ち、一見クワガタのようにも見えますが全くの別種、ツチハンミョウ科の甲虫です。
刺激をされると足や関節からカンタジリンとよばれる黄色い毒液を出し、人の肌に触れると炎症を起こし水ぶくれができることもあり危険だということです。
生態にはいまだ不明な部分もあるということですが、東南アジアから日本の西南部に生息する昆虫で、日本国内では1936年に高知県で初めて確認され、高知県では「準絶滅危惧種」に指定されています。
かつては兵庫県には生息していなかったとみられますが、2000年代に入り、神戸市ほか兵庫県南部での目撃例が増加していました。滋賀県や京都府でも目撃例はありますが、兵庫県北部での確認例はなかったということです。
朝来市では危険生物であるため注意喚起を呼び掛けていますが、希少な生物でもあり情報収集もしていく方針です。
問い合わせ先「朝来市市民生活部市民環境推進室」
079−672−6120