3日午後、東京の繁華街・JR新橋駅近くのビルで爆発火災があり、飲食店従業員2人と通行人1人が重傷、通行人1人が軽傷を負いました。
都心のビル密集エリアに多くの警察官や消防隊員が駆けつけ、現場は一時騒然としました。この火災の原因は何なのか?爆発火災に詳しい元福岡県警で日本工学鑑定センターの山根晴夫さんに話を聞きました。
Q:現場の状況からどんな火災が発生したと思われますか?
【日本工学鑑定センター 山根晴夫さん】
「2Fの窓とか枠が爆発でなくなっている状況、さらに道路に大量の紙とかが散乱していることから考えて、ガス爆発ではないかと思います」
Q:2Fが飲食店という情報も入っていますが何か考えられることはありますか?
【日本工学鑑定センター 山根晴夫さん】
「ガス爆発というのは、”可燃性ガス”が部屋に充満して、それがなんらかの原因で引火すると、中で爆発現象が起こるんです。今回も可能性としてはガス爆発だと思われます」
Q:この段階でわかることは他になにかありますか?
【日本工学鑑定センター 山根晴夫さん】
「建物の損壊状況からすると1Fのシャッターは破壊の状況は見られません、また3Fも窓ガラスがさほど壊れているようには見られないので、2Fの部屋で何らかのガス…都市ガスかもしれませんが、それに着火して一瞬にして爆発したのではないでしょうか。 ガスの性質を考えると、都市ガスは軽いので下ではなく上の方に向かっていくものです。爆発した上階の3Fに、さほど被害が見られないようなので、ガスが充満した比較的早い段階で着火したのではないでしょうか」
Q:事件性はありそうでしょうか?
【日本工学鑑定センター 山根晴夫さん】
「まだ何とも言えません。誰かがガスを故意に漏らしたのか…そういう要因があれば事件性ありとなりますが、どうやって漏れたのかが分からないと特定は難しいですね」
Q:今回のガス漏れの程度ですが、人が気づかないものでしょうか?
【日本工学鑑定センター 山根晴夫さん】
「都市ガスは、漏れた時に分かるように匂いをつけてあるものです。漏れたらそれなりに分かると思います」
Q:今後の捜査のポイントはどこでしょうか?
【関西テレビ 神崎博デスク】
「飲食店の”開店準備中”だったとのことで、仕込みの段階で、使用しているガス器具に不具合があってそこから漏れたのか、あるいは現場は古いビルが多いので、ビルの設備そのものに不具合があったのか…、そのあたりを今後、消防と警察で原因を調べていくことになるでしょう」
Q:爆発の原因はこれからどうやって特定していくのでしょうか?
【日本工学鑑定センター 山根晴夫さん】
「警察・消防と合同で、ガスがどこから漏れたのか?配管の問題なのか?を調べるでしょう。漏れの箇所が分かれば、着火原因を調べます。電気器具の火花とかですね。蛍光灯のスイッチを入れたり切ったりするだけでも火花は出ますので。どこからガスが漏れたのかが極めて大切です」
なお、最新の情報(3日午後5時50分時点)によると、店員が「ガス臭いと思ったが、タバコを吸うため、火をつけたところ爆発した」と話していることが分かりました。 警察と消防で引き続き、爆発の原因を調べています。
(関西テレビ「newsランナー」7月3日放送)