京都市東山区の昔ながらの鶏肉店では、冷蔵ケースの故障をきっかけに、お肉の代わりに、店頭にあるものを並べたところ、思わぬSDGsな効果がありました。
【客】 「もも焼きを」
【西井和子さん(82)】 「380円。おいしいから、犬の散歩毎日来て、毎日買ってください。また来てやー」
【和子さん】 「2人で一人前や。2人で一人前」
【西井正治さん(85)】 「全く性格違うんやで」
この場所で50年以上、2人で店を切り盛りしています。
店頭の冷蔵ケースをよく見てみると、並んでいるのは、様々な種類の鶏肉…はなく…“お肉の写真”です。
元々は生肉を陳列してきましたが、写真に代えたきっかけは、30年程前から使い続けてきた冷蔵ケースが、去年、故障したことでした。
買い替えようにも、300万円ほどの費用がかかり、一度は店をたたむことも考えました。
しかし、商店街のメンバーからの提案で、肉の写真を並べることにしたのです。すると、思わぬ効果が…
【正治さん】
「今まで一つひとつ愛情込めて品物として直で出していてたけど。全てのものが楽になった」
注文を受けてから切り分けるようになったため、生肉を陳列していた時よりも、肉が長持ちするようになり、廃棄する量も減少し、冷蔵ケースの電気代まで節約できました。 売上や客足も以前と変わらないといいます。
【客】
「いいと思います。ロスないんで。廃棄出ないから。おばちゃんと、おっちゃん好きなんで」
【正治さん】
「お客さんにいつも喜んでもらえることが私の活力になって楽しいんです」
【和子さん】
「いけるところまでいこうかという感じです」
一度はあきらめかけたお店の継続。2人は、「90歳くらいまでは続けたい」と話しています。
(関西テレビ「newsランナー」2023年5月15日放送)