「大阪・関西万博」までもう2年足らず。実はいま、ある業界が勝手に一致団結して、盛り上げに一役買おうとしています。そのプロジェクトは、「新しい大阪土産計画」です。
大丸梅田店にある、いつもは人気店の商品が集うブース。ここに並んだのは、たくさんの直方体…
【売り場の人】
「2025年大阪万博にちなんでお作りしました」
人々が興味津々でのぞき込むのは、これから”大阪の定番土産”になる、かも?しれない新商品です。
というのも皆さん、「大阪土産」のお菓子と言って何を思い浮かべますか?大阪市内で聞いてみると…
【街の人たち】
「大阪?え…」
【街の人たち】
(Q.広島なら?)「もみじ饅頭」
(Q.京都は?)「八ツ橋」
(Q.大阪は?)「大阪って何や。大阪やったら…」
なかなか大阪は「これが定番!」というお菓子のお土産がすぐには出てこないようです。
【高山堂五代目当主・竹本洋平さん】
「大阪・関西万博が2025年にあって、2800万人ぐらいの来場が見込まれる中で、さて、お菓子屋として何でおもてなししようかと」
こう話すのは、明治20年創業の和菓子店・高山堂の竹本社長。
万博には特別な思い入れがありました。 1970年の大阪万博で「粟おこし」を販売し大盛況となった過去があるのです。
【高山堂五代目当主・竹本さん】
「一気に粟おこしの業界自体が息を吹き返し、日本国内でも『大阪みやげと言えば粟おこし』と言うのが改めて定着したきっかけになったんですね」
しかし、粟おこしを扱う店が時代の流れとともに減少したため、竹本社長が呼びかけて後世に残る「新しい大阪の定番土産」を生み出すプロジェクトを立ち上げました。 選んだ和菓子は・・・
【高山堂五代目当主・竹本さん】
「ようかんです!」
寒天や水あめなどシンプルな素材を混ぜ合わせてできるようかん。 普段商品として扱っていない会社も参入しやすいのでは、と選びました。 ただ、目指すのは、これまでのようかんとは一味違う”令和版”ようかんです。
開発を任された職人の田原さんはこの道30年の大ベテランですが、「3色でグラデーションにしてほしい」という社長の注文に四苦八苦したそう。
【和菓子職人・田原英幸さん】
「また大変なことを言われてしまったと…何回か失敗もしてます」
”令和版”ようかん作りに挑んだのは8団体。それぞれ趣向を凝らして仕上げたようかんが…大丸梅田店に、なんと22種類もそろいました。
田原さんが苦労して仕上げたのが「水乃都(みずのみやこ)かん」。 水の都・大阪をイメージして波打つ水面を表現しました。
【お客さんは】
「一番好きなのどれ?これやな、やっぱこれが。女子心をくすぐる。水色とピンクが」
店頭には、少し若い職人も。
実は、パティシエや調理師を目指す高校生もプロジェクトメンバーとして、商品を企画しました。
小豆の断面をヒョウ柄にみせたようかんで、ザラメのじゃりじゃりした食感がポイントだそう。
【大阪緑涼高校3年・浦辻琴野さん】
「バイト先に、ヒョウ柄の服を着た、黒糖アメを配ってくれる人がいるんですよ。その人のことを思い出して『この人にしよう!』とモチーフにして作りました」
第一弾の販売期間は1週間。 店頭で集まった声を元にこれから改良を重ねます。
【お客さんは】
「It looks interesting (見た目が楽しいね)」
「普通のようかんって黒いイメージやもんね。食べてみな、味はちょっと。あはは!」
2年後、2025年…どんなお菓子でおもてなししようか、万博への“熱意”が動き出します。
(関西テレビ「newsランナー」2023年5月3日放送)