【単独インタビュー】スーパーマリオの"生みの親"に聞く なぜ今「マリオ」が映画化? ゲームを感じられる脚本を意識 「マリオ」は実は20代だった 生まれたのは「土管」のイメージから 2023年04月28日
■ マリオが生まれたのは「土管」イメージから
世界で大ヒットとなっている人気ゲームキャラクター・マリオの映画が、4月28日から日本でも上映が始まりました。
ゲーム界のスーパースター「マリオ」はなぜ今、映画になったのか。
今回、マリオの生みの親である任天堂代表取締役フェローの宮本茂さんが関西テレビの単独インタビューに応じました。
【任天堂代表取締役フェロー 宮本茂さん】
「初めての船出で、こんな華々しくデビューさせてもらっていいんだろうかと。本当にラッキーだと思っています。日本も世界同時に公開したかったんですけれども、色んな状況があって。色んな国で同じように家族で面白かったと見てもらっているので、日本も多分同じイメージで期待をしてもらっています」
1985年に発売した「スーパーマリオブラザーズ」。ゲーム画面が横にスクロールするという画期的なプレイスタイルと、登場キャラクターの親しみやすさに子どもたちは熱狂。世界的大ヒットとなりました。
【宮本茂さん】
「何となくひげを生やしているけど25~6歳なんですよ。僕がその頃、27~8歳やったので。僕自身がアメリカ文化に憧れていたり、漫画家に憧れていたりして。マリオブラザーズを作った時に土管を使おうと決めて、ニューヨークの地下にものすごく土管がいっぱいあるというイメージがあるので」
まずキャラクターをどんな環境に置くかを設定した後、マリオのイメージを具体化していったという宮本さん。
【宮本茂さん】
「ひげを生やしたニューヨークの地下で土管の工事をしているイタリア系移民で。映画になった時もそのあたりは崩れてないんですよね」
■ ゲームの楽しさを劇場でも
スーパーマリオシリーズは時代とともに姿・形もよりリアルに進化。これまでに41タイトルが発売され、累計販売は4億本以上とゲームの世界では圧倒的な実績を誇っています。
―Q:なぜ今映画化したのですか?
【宮本茂さん】
「これからスマートフォンが出て来たり、映画があったり、映像ストリーミングがあったりしていく中で、任天堂のキャラクターを見てくれる人をもっと増やしたい、それには映像をつくるって言うのは一つの重要な方法だというところに至ったんですよね」
任天堂はこの10年あまり、キャラクターを「タレント」に見立て、テーマパークなどで様々なコンテンツを展開してきました。ゲームをしない人もキャラクターに触れる機会を作り、ファンになってもらう戦略です。今回の映画化もその一つでした。
映画製作にかけた年数は実に6年。宮本さん自らが共同プロデューサーとして、深く製作に携わりました。
―Q:映画へのこだわりは?
【宮本茂さん】
「やっぱり任天堂のゲームファンが見て、これは自分たちの知っているマリオだって言ってくれるように作るという大きな方針を決めて。ゲームって何が大事なのっていうと、終わってもあきらめずに(リセット)ボタンを押すという繰り返しで、ちょっとずつ自分が進化していくのが嬉しいというのが基本なので。それが感じられるような脚本。そこはあんまりくどくやらずに、さりげなくそれが感じられるような脚本というのを目指して作っています」
―Q:宮本さんが描くマリオの今後は?
【宮本茂さん】
「今回は映像を扱うようになったし、娯楽で使う素材が広がったので、もっと色々組み合わせて作れば、もっと面白いものができると思いますし。まだまだ技術者もいるしソフトを作れる人もいるので、面白いことができると思います」
これからどんなコンテンツで私たちを楽しませてくれるのか、期待は膨らみます。
(2023年4月28日 関西テレビ「newsランナー」放送)