京都随一の観光地「祇園」の景観を守るため、”ある規制”を作ってほしいと商店街の人たちが京都市に直談判しました。
■「祇園四条地区」の景観を巡り、地元の組合らが「要望書」を提出
京都を代表する観光地、四条大橋から八坂神社に続く「四条通」。
八坂神社の「参道」として栄え、土産物店や飲食店が軒を連ねるこの「祇園四条地区」の景観を巡り、地元の商店街振興組合が「要望書」を京都市に提出しました。
「市長、よろしくお願いします」
【祇園商店街振興組合・北村典生理事長】
「うちの商店街、四条通は『清々しい参道』にしましょうと。我々はきれいなものをここに並べる、そういう参道づくりをしようと」
「日本の美意識と出会えるまち」「清々しい参道」を目指すため、商店街は宿泊施設など、これから新しくできる建物に規制をかけて欲しいと求めています。
■ラブホテルの建設キッカケに街のあり方の見直しへ
この地区の一部では2012年から、すでに「風俗店」や「ナイトクラブ」「カラオケボックス」などは街の景観を損なうとして、新たに建てることが条例で規制されています。
そんな中で2021年以降、このエリアにホテル建設が相次ぎ、中にはラブホテルのようなものもあったことから、これをキッカケに商店街は、街のあり方を再度見直すことを始めたのです。
【祇園商店街振興組合・北村典生理事長】
「四条通沿いに、露天風呂ができることになった。露天風呂ができる、そういうホテルの設計を見せられたんですよ。ラブホテルは規制がないんやね、ラブホテルはあきませんと言っても」
商店街の規制案では、狭い客室のホテルは禁止。ホテルであっても、四条通沿いでは1階部分は物販や飲食の店舗を導入すること。こうしたルールを設けて事実上、ラブホテルの建設はできないようにして欲しいとしています。
■「参道にふさわしい街を」 漫画喫茶や民泊の規制も要望
さらに参道にふさわしい街にするため、漫画喫茶や民泊も規制したいとしています。
【祇園商店街振興組合・北村典生理事長】
「祇園が崩れていった。どんどん祇園が”安もんくさい地域”になってきて…。儲ければいいのではなく、良い観光地にしたい」
【京都市・門川大作市長】
「しっかり受け止めて、また議会とも相談して、条例改正に取り組んで参りたい」
京都市はこの要望書を元に、都市計画を策定し有識者会の承認を経て、年度内の議会での条例の制定を目指したいとしています。
街の人の意見もさまざまです。
【街の人は】
「すこぶる京都らしく。やっぱりそれですね。日本でも唯一の歴史の町で。より京都らしく…をぐっと押し出してほしいですね」
【街の人は】
「住んでいる方の気持ちも分かるし、けど楽しくにぎやかであって欲しいというのもある、難しいですね…」
守るべきは景観か、それとも収益か…。”良い観光地”として存続していくために、どうバランスを取るべきなのか。京都市が今後、どう判断するか注目です。
(関西テレビ「newsランナー」4月19日放送)