「大阪W選挙」で維新が圧勝 吉村・横山“YYコンビ”で維新は第2ステージへ 松井前市長「僕や橋下さんからもう交代で次のステージへ」 2023年04月10日
4月9日、投開票が行われた地方統一選挙の前半戦。大阪府知事・大阪市長ともに維新の候補が圧勝しました。取材で見えてきた圧勝劇の理由とは…
4月9日の選挙では、大差で勝利し、慣れ親しんだ大阪府庁に戻ってきた吉村洋文知事。
【大阪府 吉村洋文知事】
「万博をインパクトに大阪、関西を、そしてさらには日本を牽引する」
手慣れた様子で就任初日の公務をこなしました。
一方こちらは大阪市役所。職員に出迎えられた、吉村さんの新たな相方は、横山英幸新市長です。市長室でのメディアの撮影では初々しい場面も…
【大阪市 横山英幸市長】
(Q.受話器を手に取っていただくことできますか?)
「これ松井市長もやったんですか?(笑)
これから大阪市政を前に動かしていかないといけない、プレッシャーがありますけど。覚悟と決意の思いです」
市長職の引き継ぎでは、松井一郎前市長を前に緊張気味…
【松井一郎前市長】
「新市長おめでとうございます」
【大阪市 横山英幸市長】
「ありがとうございます」
(Q.せっかくなのでフォトセッションさせてください)
【松井一郎 前市長】
「なんでそんな“民間人”やのにサービスせなあかんの?」
【松井一郎 前市長】
「じゃあ帰ります。お疲れ。ほなね」
(Q.民間の仕事は始める?)
「もう始めるよ!食べていかなあかんし」
(Q.いつから初仕事ですか?)
「あさってかな。じゃあね」
約12年にわたり維新が守り続けた大阪府知事・大阪市長の2トップ。大黒柱として支えてきたのが、維新のメンバーから「親分」と呼ばれる松井一郎さんです。しかし、今回の選挙には、その松井さんは立候補しませんでした。
【大阪市 松井一郎市長(当時)】
「われわれ2度目の敗北であります。全て私の力不足。僕自身の政治家としては、これはやっぱりけじめはつけなければなりません。市長の任期をもって、僕の政治家としての任期を終了といたします」
3年前、維新の看板政策のいわゆる「大阪都構想」が、2度の住民投票で否決された責任を取り、政治家引退を表明。
後継者として白羽の矢が立ったのが、大阪府議を務めていた横山さんでした。
【大阪維新の会 横山英幸さん(当時)】
「知名度がないのは承知の上で、それでも維新の改革を進めるという気持ちでチャレンジしたい」
今回の選挙で維新は、これまで掲げてきた「都構想」を封印。教育の無償化や府市一体の成長戦略で、大阪を前に進めると訴えました。横山さんの知名度の低さという課題を乗り越えるため、街頭ではひたすら「吉村・横山をセットで」と繰り返しました。
【街頭から掛け声】
「YYコンビいいぞー」
【吉村洋文さん】
「YYコンビですかね。YYコンビ。横山、吉村ということで、セットでお願いできたらなと思うんです。というのも僕は大阪市長をやって、大阪府知事をやって、思います。大阪市と大阪府がほっときゃ二重行政になる」
市長選告示前、駅前で演説しても、ほとんど人が集まらなかった横山さん。
【横山英幸さん】
「この度の大阪市長選挙の候補予定者として、今、大阪市内走り回っております」
告示後になりYYコンビで演説に臨むと…
【吉村洋文さん】
「一緒に維新の改革を進めてきた、中心的なメンバーであり、ほんとにブレずに維新を進めてきた、これが横山さんです」
吉村人気にあやかり、選挙戦を戦い抜きました。
そして迎えたYYコンビ最後の街頭演説。応援に駆け付けたのは、この日、政界を引退する“親分”でした。
【松井一郎さん】
「この12年間、吉村さん、横山さん、僕が面接をした2011年、初当選組には、時には厳しく、ある時も厳しく、ずーっと厳しくやってまいりましたから。ぜひね、維新の会、第2ステージとしてね、吉村さん、横山さん、僕や橋下さんからもう交代で次のステージ。ぜひこの2人にね、大阪をかじ取りをさせてください、よろしくお願いいたします」
維新は、知事・市長選いずれも他の候補者に大差をつけて当選。会見では、今回封印した「大阪都構想」についても言及しました。
【吉村洋文さん】
「大阪維新の会として都構想の看板を下げているわけではありません」
【横山英幸さん】
「今も大阪府庁と市役所というのは残ったままなので。僕は各地で『いつ二重行政のリスクが出てくるか分からない』というのは、演説でも言いました。そして大阪都構想を掲げ続けるというのも、再三お伝えしてきた通りです」
一方、自民党や立憲民主党の自主支援を受けたものの、知事選と市長選で維新に敗れた谷口真由美さんと北野妙子さんの両候補は会見で、
【谷口真由美さん】
「カジノを止める最後のチャンスと訴えてきましたし。これからは恐らくさまざまな疑惑が報道を通じて出ていって、議会の中でも本来やるべきことはやらないといけないと思うんですね」
【北野妙子さん】
「いわゆる都構想の議論が再燃するのではないかな、ということを懸念いたしております。横山さんに、2元代表の一翼を担われる首長さんとして、全て知事さんの方を向くのではなくて、市民の方を向いた政治が必要だと思います」
維新政治への懸念を示しましたが、今回の選挙では維新がその勢いを見せつけました。
(関西テレビ「newsランナー」2023年4月10日放送)