4月7日、大阪市立の小学校では入学式が行われました。今回は4年ぶりにマスクの着用を求めない入学式となりました。
大阪市西区の日吉小学校では、
【先生】 「ご入学おめでとうございます。みなさんは1年何組でしたか?」
【新1年生】 「4組」
【先生】 「すばらしい!」
元気よく返事をするのは新1年生の子供たち。
待ちに待った入学式です。
■4年ぶりにマスクの着用を求めずに入学式が行われる
大阪市西区の小学校では、新型コロナ対策として午前と午後の2回に分けて行われました。しかし、多くの子供たちがマスクを着けていません。文部科学省が「4月からマスクの着用を原則求めない」という方針を定めたため、この小学校でも4年ぶりにマスクの着用を求めずに、入学式が行われました。
【新1年生】
(Q.どんなことが楽しみ?)「お友達といっしょに勉強すること」
【保護者】
「子供たちが、(幼稚園の)園庭で遊ぶ時は外していたけど、(室内に)戻ったら着けないといけなくて、それが『苦しい』って言ってたので、やっと外せるようになったのでうれしいです」
【新1年生】
(Q.マスクなしで入学式に来られてどう?)「うれしい」
【新1年生】
「お友達1000人つくりたい」
マスクなしでうれしい新1年生の弟とは対照的に、4年生のお姉ちゃんはちょっと複雑な心境のようです。
【姉】
「まだみんな外してないから、1人だけ外してたらどうかなーって」
「外していいよ」と言われても、簡単にはいかないマスク問題。コロナ前のように戻るには、まだ時間がかかりそうです。
■“入学式はマスクなし”でも、子供みんながすぐに外せるわけではないようです
4年ぶりにマスクの着用が求められない入学式となりました。
「マスク外せてうれしい」「みんなの顔が見られる」「マスクは苦しかった」
こんな声が聞こえ、子供たちは、うれしそうにしていました。
しかし一方、マスクを着用している児童の姿もあって、保護者から「着けるのが当たり前になっている」という話もありました。
マスク着用は、“個人の判断”です。しかし子供たちのマスクに関しては、こんなデータがあります。小・中・高校生に、マスクを外すことに“抵抗”があるか聞いた調査では、89.3%が「抵抗がある」と答えているんです。
その理由としては、複数回答で答えてもらったところ
「恥ずかしい」56.7%
「自分の顔に自信がない」56.0%
こういった答えが半数を超えています。これに続いて、
「友達にどう思われるか不安」44.0%
「感染対策をしたい」26.9%
といった割合になりました。感染対策よりも、恥ずかしいとか自信がないという答えが多くなっています。大人でもすぐに外すのは、抵抗がありますよね。
そういった中で、大人は子供たちにどう向き合えばいいのでしょうか。子供がマスクの着用で迷っていたら、親はどう声をかければいいのか?
児童精神科の山口有紗医師によると、「4月は新学期が始まり、子供はストレスを感じる季節。子供の声を尊重することが重要」。そして、「どの選択をしても大丈夫」と伝え、声を聞くことが重要だということです。
4月は新学期が始まり、生活が変わってストレスを感じる子供が多いことを、大人が理解しないといけません。
関西テレビ・神崎報道デスクは「子供たちにとって、この間まで『マスクしなさい』と言われていたのに、4月から急に『マスクしなくていいよ』と言われてしまったら、『どっちやねん』となると思います。ですから『どっちでもいいんですよ。着けたかったら着けてもいいし、外したかったら外してもいいし。自分で決められるんだよ』と言ってあげて、子供の意思を尊重してあげたら一番だと思います」と話しました。
外すのも正しいし、外さないのも正しいと、子供の声をしっかり聞くことが大事になりそうです。
(関西テレビ「newsランナー」2023年4月7日放送)