京都の保津川下りで2人が死亡した転覆事故で、舟に乗っていた親子が、九死に一生を得た状況を語りました。取材に応じてくれた、大阪府内に住む母親と娘。あの日、転覆した舟に乗っていました。
【母親】
「まだ現実味がないのも事実。命とこの子が無事に助かっているので、感覚的には夢みたいな感じ」
3月28日、京都府亀岡市で、コントロールを失った保津川下りの舟が、岩に接触して転覆。2人の船頭が死亡しました。
舟の前方に乗って観光を楽しんでいた2人は、突然、冷たい川に投げ出されました。後続の舟の船頭たちに救出されましたが、低体温症で意識がもうろうとする母親に、応急処置をしてくれた人の中には、観光で来ていた外国人の女性の医師もいました。
【母親】
「(医師は)『目を開けて』って言ってたと思う。『目を閉じたらだめ』みたいな」
「がたがた震えるのを自分は覚えていて、後は歯ががちがちと」
「多分海外の方々だと思うんですけど、その方々が自分たちの服を私達に着せて保温。全ての方のご厚意、心で私たちは生かしてもらったのが事実」
しかし、日常生活にすぐに戻れるわけではありません。
【母親】
「先週あたりはとにかく何もできなくて、動けば吐き気と頭痛で、食事が取れるようになってから、ちょっとずつ家事ができるように」
助かった後も傷を残した今回の事故。原因の究明が急がれます。
(関西テレビ「newsランナー」2023年4月5日放送)