「芸術は長く、人生は短し」”世界的音楽家” 坂本龍一さん死去 YMOでテクノブームも 「戦場のメリークリスマス」では劇中音楽を担当 日本人初のアカデミー賞作曲賞など映画音楽界でも高く評価 2023年04月03日
先月28日、71歳でその生涯を終えた、世界的な音楽家、坂本龍一さん。
坂本さんは、1978年に高橋幸宏さん、細野晴臣さんとともにYMO「イエロー・マジック・オーケストラ」を結成。
代表曲「ライディーン」では独特の派手な衣装の「竹の子族」がこぞって踊るなど、日本にテクノ・ブームを巻き起こしました。
「メリークリスマス、ミスターローレンス」のセリフでおなじみの、映画「戦場のメリークリスマス」では、劇中の音楽も担当し、一躍有名に。
さらに、1988年には映画「ラストエンペラー」で、日本人として初めてアカデミー賞作曲賞を獲得したほか、グラミー賞も受賞するなど映画音楽の世界でも高く評価されました。
音楽家として活躍する一方で、東日本大震災では脱原発の集会などで積極的な発言を続け、被災地支援活動にも携わりました。
【坂本龍一さん】
「どうも、坂本龍一です。2020年6月にがんであることがわかりましてですね、それ以来あまり表だった活動はしておらず現在も治療を続けています」
この映像は、亡くなるおよそ3カ月前に配信された映像です。
治療を続ける中、長時間演奏をすることが出来ないため、1曲ごとに撮影したものをまとめ、1つのコンサートとして配信されました。
【坂本龍一さん】
「通常のコンサートのように楽しんでいただければと思います。それでは、エンジョイ!」
このコンサートが、坂本さんにとって最後のパフォーマンスとなりました。
2日、所属事務所は、ファンや関係者などへの感謝とともに、次のように報告しました。
【所属事務所のFAXより】
「体調の良い日は、自宅内のスタジオで創作活動をつづけ、最期まで音楽と共にある日々でした。最後に、坂本が好んだ一節をご紹介します。芸術は長く、人生は短し」
葬儀は近親者のみですでに執り行われたということです。
■ 悲しみの声が広がる
坂本さんが亡くなった悲しみは国内外に広がっています。
映画「戦場のメリークリスマス」で共演したビートたけしさんは…。
【ビートたけしさん】
「ただただショックで残念で仕方がなく言葉もありません。仲間がみんないなくなってしまい、『戦場のメリークリスマス』は俺だけになってしまいました」
韓国の人気グループBTSのSUGAさんはSNSに、次のようにつづりました。
【BTS・SUGAさん】
「先生、遠い旅が安らかでありますように」
また、アメリカメディアは、「東洋と西洋の文化的影響を融合させた映画音楽で高い評価を得た」と報じました。
坂本さんの訃報を受け、大阪・梅田にあるCDショップでは3日朝、追悼コーナーが設置されました。
【タワーレコード梅田NU茶屋町店・伊藤博明チーフ】
「うちのスタッフも、かなり坂本龍一さんのことを音楽を愛しているスタッフが多かったので、少しでも店で敬意を表したいと思って」
開店直後から問い合わせも多く、最新アルバムは完売したということです。
【ファン】
「戦場のメリクリとかね、見に行ってたから。涙、涙…」
「パイオニアじゃない?」
「音楽のパイオニアって感じ」
「パイオニアどころか今風でいうと神ってやつ!永遠って感じ」
【ファン】
「やっと楽になられたかな。ゆっくりしていただきたいなという感じ」
世界から愛された坂本龍一さん。
その音楽はこれからも生き続けます。
(2023年4月3日 関西テレビ「newsランナー」放送)