1点差のリードで迎えた9回、マウンドには大谷翔平選手が上がりました。最後はエンゼルスのチームメイト・トラウト選手を三振に仕留めると、14年ぶりの世界一に。その瞬間、関西の各地でも熱狂と歓喜に包まれました。
年俸総額400億円の”銀河系軍団”アメリカを破り、つかみ取った14年ぶりの世界一!
【栗山監督】
「選手たちが本当にうれしそうな顔をしていたので、それがうれしかったです」
【大谷選手】
「日本の野球が、世界に対して通用すると、みんなで一つになって、短い期間でしたけど本当に楽しい期間でした」
日本中が注目した試合は8時プレーボール。平日の朝にもかかわらず、関西の各地で多くのファンが試合の行方を見守ります。
連日、ライブビューイングのサービスを行っている神戸市中央区の「神戸サウナ&スパ」では、朝から大勢のお客さんが詰めかけ、声援を送っていました。
そして、ダルビッシュ投手の地元・羽曳野市でも…
【応援にかけつけた子どもは】
「ダルビッシュ選手!自分の力出して全力で頑張ってほしいです!」
ダルビッシュ投手の少年時代の監督も応援に駆け付けました。
【羽曳野ボーイズ・山田朝生総監督】
「若い選手に色んなことを教えて、そういう姿を見てて、あの子の成長と人間性を感じています。マウンドに最後立ってる姿を見たいですね」
WBC決勝戦に合わせ、午前を休みした会社もありました、大阪・中央区のコンサルティング会社「トゥモローゲート」です。オフィスで観戦したい人は出社し、働きたい人は働くという形が取られました。
【トゥモローゲート・西崎康平代表】
「1週間前に告知して、きょうが来る日を信じて。(選手が)本当にやってくれたので楽しみですね」
関西からもアメリカからも…届けられる熱い思いを背負った侍ジャパン。日本の先発は今永投手ですが、2回、アメリカのターナー選手に先制のホームランを浴びると、神戸のサウナは茫然としてしまいました。嫌なムードが漂います。
そんな中、”午前休”にしたトゥモローゲート社では、空気を変えるべく差し入れが…。「アメリカを食べて日本勝利」という意味も込めて、テイクアウトされたハンバーガーなどが振る舞われました。
【トゥモローゲート社の社員】
「アメリカに敬意を表して、おいしくいただきますから、勝利をいただきますと」
すると、その直後でした。
ハンバーガーの”願掛け”が効いたのか、21日のメキシコ戦でサヨナラ打を放った”村神さま”に待望のホームラン!、同点に追いつきます。さっきまでの静けさが嘘のようにヒートアップ!
さらに勢いに乗った侍ジャパンは逆転に成功し、迎えた4回。奈良・智弁学園出身の岡本選手が、大会2本目となるホームラン、アメリカ代表を3対1と引き離します。
そして、8回に満を持してダルビッシュ投手が登板。
【記者リポート】
「ダルビッシュ選手がマウンドに上がり、地元・羽曳野市では大いに盛り上がりっています」
このままアメリカを制するのか…と思われましたが、アメリカも必死に食い下がります。ダルビッシュ投手はホームランを浴び1点差に追いつかれます。
しかしその後は無失点に抑え、後を大谷選手に託します。
【羽曳野ボーイズ・山田朝生総監督】
「結構落ち着いてやってくれたなと。1本打たれたけど連打を食らうピッチャーじゃないから安心していました。彼も落ち着いていたし、僕も落ち着いてましたよ」
そして9回、大谷投手はマウンドに。ここで、ドラマが待っていました。ツーアウトを取り、迎えるバッターはエンゼルスのチームメート・トラウト選手。日本中が固唾をのんで勝負の行方を見守ります。
最後は大谷選手が見事、トラウト選手を三振に討ち取り、侍ジャパンが14年ぶりに王座を奪還!関西の各地も感動と熱狂の渦に包まれました!
「世界一おめでとう、カンパーイ!」
ライブビューイングを行ってきた神戸市のサウナでは、施設側がお客さんにノンアルコールビールを振る舞い、皆で喜びを分かち合いました。
”午前休”で侍ジャパンの応援を続けた「トゥモローゲート」の社員たちも、共に喜びを分かち合っていました。
【トゥモローゲートの社員は】
「一体感が生まれて、すごくよかったです。この試合で野球好きになったぐらい。最高でした」
【トゥモローゲートの社員は】
「(Q.この後は仕事ですか?)そうです、ウフフフ」
【トゥモローゲート・西崎康平代表】
「大会を通じて、学びが多かったなと思います。諦めない気持ちとか、人を楽しませる・喜ばせるとか。今日からの仕事に生かして、全力で頑張っていきたいですね」