5Gの次…超高速・大容量『6G』で遠隔リモート“漫才”も「いけまっせ」 ジャルジャル後藤も「間がバッチリ」絶賛 難しい遠隔手術やテレショップで“手触り感”も 2023年03月20日
ちょっと変わったお笑いライブが20日、行われました。遠隔でのツッコミも違和感がない、次世代型の漫才とは?
20日、大阪・京橋で開かれたお笑いライブ「未来のお笑イブ!!」。
【司会者】
「COWCOWさんとジャルジャルさんで~す」
あれれ?ちょっといつもとようすが違います…
【COWCOW】
「あたりまえ♪あたりまえ♪あたりまえ体操♪…友だちと思ってた人いつの間にか…スキ」
【報告・越後みなみ】
「COWCOW善しさんのとなりにいるはずの多田さんが液晶モニターの中にいて、時間差もなく、まるでその場にいるかのように掛け合いをしています」
実はこれ、「IOWN(アイオン)」と呼ばれる最先端の通信技術を使ったリモート漫才の試みなのです。
「IOWN」とはNTTが開発を進める光回線を使った次世代のネットワーク構想。通信容量は従来の125倍。映像・音声の遅れも200分の1に抑えるという革新的な技術です。
これを可能にするのが、次世代の通信規格『6G』。
現在の『5G』の機能をさらに進化させ、超低消費電力で、あらゆる場所からの膨大なデータを瞬時に処理することができます。
【COWCOW善しさん】
「海外にいてても遅れはないんですか?」
【司会者】
「現状、もう海外もこのスピードでできるんです」
【COWCOWの2人】
「すごい!」
20日のライブ会場で使われたのも「IOWN」の技術。
今、別の劇場にいるジャルジャルの後藤さんとの掛け合いでも…
【ジャルジャル】
福徳さん:「ほなやる?『国名』分けっこ」
後藤さん:「どうやんのよ?」
福徳:「やったらわかる。めっちゃおもろいから。国名を分けっこする、それだけのこと…いくで」
福徳:「アメ」 後藤:「リカ?」
福徳:「イギ」 後藤:「リス」
福徳:「中」 後藤:「国」
福徳:「ドイ」 後藤:「ツ」
福徳:「モン」 後藤:「ゴル」
福徳:「韓」 後藤:「国」
福徳:「ニッ」 後藤「ポン!」
タイミングが要となる通信にタイムラグもなく、まるで同じ場所にいるかのように自然な掛け合いが実現しました。
【ジャルジャル・福徳秀介さん】
「一切のずれがなく、びっくりしました」
【ジャルジャル・後藤淳平さん】
「間がバッチリで、お笑いは間が命ですから、内容うんぬんではなくて間が合ってたらウケるんで(笑)」
観客はどう感じたのでしょうか?
【観客は】
「グダグダになったり笑える感じなんかな?っていう不安があったんですけど。違和感は全くなかったです」
つい最近、「5G」が始まったと思っていましたが、今回は次世代「6G」の話題です。「IOWN」を使った6Gは、私たちの生活にどんな影響をもたらすのでしょうか?
モバイル通信のこれまでを見てみると…およそ10年ごとに進化しています。
まず1980年代、最初の世代は通話のみでしたが、1990年代、2000年代は2Gでメール・インタネットができるようになり、3Gで高速化、さらに4Gで動画が再生できるようになり、現状の5Gでは4K動画が見られるようになりました。そして、2030年にも6Gが誕生するといわれています。
次世代となる6Gは、結局何ができるのでしょうか?
「超高速、大容量」が“売り”ということで、まずは、高速通信によって遅延が少なくなり、高度な遠隔手術などもできるようになります。
また、「動きのシンクロ」…NTTドコモさんは将来的にはこんなことを考えているようです。ピアニストの手の動きが電気信号で遅延なく受け手側に伝えることで(“スキルのダウンロード”)ピアノの先生の指の動きを生徒にシンクロさせて指導するなどができるようになるいうことです。
さらに、「触覚のシンクロ」…例えば、テレビショッピングで紹介している商品の手触りをお茶の間で見ている人がリアルタイムで共有することができるそうです。
「6Gの未来」について、専門家に伺いました。
ITジャーナリストの石川温さんは、「正直5Gもまだ途上の中、どの企業も6Gの使い方に悩んでいる。ただ、6Gの普及で遅延などのストレスがなくなることで、メタバースやリモート勤務がさらに広まるのでは」と話しています。
今後、6Gが広がるとどう暮らしが変わるのか…少し先になりますが注目されます。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年3月20日放送)